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座談会 動物が介在する社会価値を考える

強制するのではなく、共生を考える。

立命館大学大学院
社会学研究科博士後期課程
動物介在福祉士 講師
西野勇人

(西野)私は普段、立命館大学大学院で主に高齢者の社会福祉について研究しつつ、他の大学や短大等で社会福祉の講義を行うこともしています。今回、動物介在福祉士の講座において、講師をする機会をいただき、ありがとうございます。

(大野)こちらこそありがとうございます。当協会にはいろいろな講座がありますが、これまでは協会に関わる方以外が講師をすることはありませんでした。特にこだわりがあったわけではなく、たまたまそういう機会がなかっただけなのですが…。2017年からは、講座だけでなく、さまざまなことで積極的に社会と繋がっていこうと思っています。

(西野)素晴らしいことですね。私は「人とペットの共生社会の実現」という協会の理念に非常に共感したのですが、動物業界にいる人だけでなく、様々な分野の人がもっと関われば、きっと共生社会の実現はもっと進んでいくでしょうね。

(小池)そう思います。私はワンちゃんも猫ちゃんも大好きですし、動物自体が大好きです。同じように、例えばワンちゃんを飼っている方は当然ワンちゃんが大好きなわけですね。しかし、世の中には、たとえ小さなワンちゃんでも怖い、動物が嫌いという人がいます。仕事柄、多くの飼い主さんと接しますが、こういうことを想像できない飼い主さんがいるというのが現状です。

一般社団法人
全日本動物専門教育協会
専務理事
大野公嗣

(佐藤)そうなんです。動物が好きな人もいれば嫌いな人もいる。考えれば当然なのですが、改めてこのことを理解しなければ、決して「人とペットの共生社会の実現」はできないと思います。

(鈴木)なるほど。他業界が関わるからこそ、見えるものがあるということですね。現在、私は『浦安エデンの園』という有料老人ホームの施設長をしております。これまでも年に1\2回、ワンちゃんが当施設にも遊びに来てくれ、その日を多くのご入居者が楽しみにしています。動物介在福祉士の実習場所として使わせてほしいというご相談がSAEさんからあった時、私たちのような動物業界以外にいる者だからこそ、また違った視点でペットや人の共生に貢献できることがあるはずだと感じました。

(大野)本当に、ありがとうございます。

(鈴木)いえいえ。私たち職員も癒されますし、何より、ご入居者の笑顔が見られることが嬉しいですから。しかし、先ほど動物のことを好きな人もいれば嫌いな人もいるという話がありましたが、当施設でも、入居者全員がワンちゃんが好きということもありませんし、正直、ワンちゃんが来ることを反対する人もいます。それは、仕方のないことだと思っています。

人やペットの温もりを共有したい。

一般社団法人
全日本動物専門教育協会
動物介在福祉士 教師
家庭犬訓練士 教師
佐藤麻衣

(佐藤)動物介在福祉士の講座は、”技“を磨くということも大切ですが、セラビーを実施するワンちゃん、そしてワンちゃんと触れ合う人…つまり相手の気持ちを考える、理解するという、”心“を学ぶことが一番大切だと思っています。

(西野)そうですね。相手を思いやることはスタート地点として大事だと思います。そして、他者にとって何がありがたいのかを、自分の感覚だけでなく他からも学ぶ過程も、その触れ合いを豊かにしてくれると思います。

(大野)現代社会では、どんどんデジタル化、ICT化が進んでいますよね。独居の高齢者に対してワンちゃんの形をしたロボットが人気なようですし、介護ロボットも活躍し始めていると聞きます。

(鈴木)当施設では、まだロボットの導入はしていませんが、学会や会合などで知り合いに聞くと確かに活躍し、効果も出始めているようですね。

(大野)介護のお仕事をする方の負荷が減ることもあるので、ロボット導入の価値や魅力もよくわかります。しかし私たちは、こんな時代だからこそ、あえて人や動物といった命あるものが関わり、”温もり“を感じる社会に活用したいですし、動物介在の価値がここにあると思っています。

社会のつながりを、より価値あるものにするために

社会福祉法人
聖隷福祉事業団
浦安エデンの園 園長
鈴木太佳人

(西野)もちろんご家族や民生委員などの協力も有効でしょう。しかし頼れる家族がいるとは限りませんし、民生委員もとうていすべての人をカバーできない。共生社会のためには、そもそも生活は多様であることを前提として、いろいろな種類のネットワークが機能するとよいと思います。そして、飼いtが何かのネットワークのどこかにはつながっていることが大切ではないでしょうか。

(小池)確かにそうですね。まさしく当協会では、「ペットは可愛い」ということだけでなく、飼い主の責任、リーダーシップ、そしてつながりを作る…まさにネットワーク構築も視野に入れて講座やセミナーを実施しています。

(西野)介護にしてもペットの問題にしても、何か困ったことに直面した際、そのことについて知識があれば自分で解決できるのでしょう。しかし実際には、知識AもBもCも…と、すべての知識を蓄えるのは簡単ではありません。プロだって、専門外の事態にも直面するはずです。しかし、分からないことを誰に相談すればよいか知っているだけでも、かなり変わってくると思います。資格というものも、そうしたつながりを作る上でのシグナルになりえます。

一般社団法人
全日本動物専門教育協会
動物看護師 教師
小池恵子

(大野)社会の関係こそがこれからの時代では重要になる。そして温もりで溢れる社会や人との関係。「人とペットの共生社会の実現」とはても壮大ですが、動物介在福祉士の講座ではよりつながりの大切さを伝えていきたいと思います。

 

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