この度の能登半島地震により被災された全ての皆様に心よりお見舞い申し上げます。
ペットと一緒に避難するケースも多く見られていますが、課題もあります。
一緒に安全に避難するためには日頃からの取り組みが大事です。まずは、一人一人がペット防災の知識を持つところから始めましょう。

今回は、犬猫飼養アドバイザーより、災害などの緊急時に身に付けておく必要があるクレートトレーニングについてお伝えします。
クレートトレーニングは、犬猫共にに覚えてほしいトレーニングの一つです。旅行や外出時にも安全に移動するために役立つので、ぜひ覚えてもらいましょう。

クレートに慣れる必要性

クレートは犬猫の心身を守る大事なものです。
サイズも素材もさまざまな種類があります。一つに絞るのではなく、用途によって日頃から使い分けをして、どのタイプのクレートであっても「クレート=安心できる場所」と認識できるようにしていきましょう。

これは、災害の避難時に飼い主と離れた場所で過ごさないといけなくなった場合を想定しても、大切な防災準備です。
クレートに入ることができない、入るけど大人しくしていられない、という子はまずはクレートに慣れるトレーニングをしておく必要があります。(トレーニング方法は後述します)

クレートの使い分け

●移動時はハードタイプ●
旅行などの移動に関しては、公共の交通機関を利用するのか、自家用車で移動するのかによっても状況は異なりますが、しっかりとした造りのハードタイプのクレート(ハウス)を利用したほうが安全です。

また、自家用車では、助手席に乗っている飼い主さんが愛犬を抱っこしている風景を見かけますが、万が一事故に遭った場合、犬はシートベルトをしていないので、車外へ投げ出されてしまう危険性があります。
しっかり抱っこしているつもりでも、事故の衝撃は計り知れません。
現在、シートベルトで固定できる車専用のハウスも販売されています。そうしたものを利用して、安全な移動を心がけましょう。

なお、車酔いなどをしてしまう子は、乗車前に食事は避け、クレートに入れたうえで、上からタオル等をかけ、外が見えないように配慮してあげると、車酔いが軽減されることがあります。
それでも車酔いしてしまう場合は、動物病院へ相談し酔い止めを処方してもらったり、アロマ等を利用するのもいいでしょう。

●散歩やお出かけ、避難時にはソフトタイプ●
このタイプは肩から提げるものがほとんどで、カバンタイプのものやスリングタイプ、リュックタイプなどさまざまあります。
まだお散歩の時期ではない仔犬や、逆に老犬になって散歩がきつくなってきた子を外へ連れ出すときにも重宝するでしょう。

災害の避難時には両手を空けておくことが重要になりますので、このタイプが良いでしょう。
愛犬愛猫の身体の大きさなどに合わせて用意しましょう。
(これとは別に、避難所で過ごすことを想定して、折りたためるタイプのクレートも用意しておきましょう)

クレートトレーニングの方法

まずは、クレートの中にお気に入りの毛布や敷物などを敷いてあげます。そして、自分から入るかどうか様子を見ます。
恐る恐るでも入っていける場合には、その中でご飯やおやつ等をあげてください。

「絶対にいや!!」というような場合には、まずは愛犬の大好きなおやつなどをクレートに入れ、扉を閉めます。
そして、扉の外側からクレートの中を覗かせて、大好きなものに気付かせます。
大好きなものを欲しがって扉を引っかくようであれば、少し焦らした後で扉を開けると、「待ってました!」と言わんばかりに、入っていく可能性があります。

どちらの場合でも、入ってすぐに扉を閉めないように気をつけてください。
扉を閉めるのは、犬がクレートを安心できる場所だと認識し、落ち着けるようになってからにしましょう。

猫の場合はもともと暗くて狭い場所が好きな傾向にありますから、クレートの扉を外しておくだけで意外とすんなり入ってくれます。
猫にとって、暗くて狭い場所には獲物が潜んでいるかもしれないという期待感があるとともに、身を隠すための避難場所でもあるからです。

クレートのトレーニング方法も様々あり、一概にどれが良いとは言い切れません。
それぞれの犬猫に合った方法を見つけ、無理せずにトレーニングをしていきましょう。

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