こんにちは。気温が暖かくなってくると、飼い主さんも段々と薄着になってきます。
そのころから活発になってくるのは、フィラリアとノミ、マダニ。愛犬家、愛猫家の皆様はご存知の方も多いと思いますが、今回はフィラリア症についてお話します。

フィラリアとは

「フィラリア」とは寄生虫の名前です。フィラリア症は「犬糸状虫症」とも言われ、フィラリアは蚊によって媒介されます。
そのメカニズムは、心臓に白いそうめん様の虫体が寄生し、その虫体が子虫を産み、その子虫が血管の中を流れ、飛んできた蚊がその子虫を含んだ血液を吸い、ほかの感染していない犬にうつす病気です。
重度に感染すると血尿が出たり、呼吸が苦しく運動をしてもすぐにバテたり、咳が出たりします。

予防・対策

月に1回の内服薬、首に垂らす液剤、注射などがありますが、内服薬が一般的ですね。

この薬は、よく「予防薬」として飲ませていますが、実際は体内に入ったフィラリアの子虫を殺す「駆除薬」です。
蚊が発生しなくなった2ヶ月後まで飲ませる必要があります。
薬を服用すると、小さいフィラリアや未成熟のフィラリア(ミクロフィラリア)を殺す作用があり、その時点で駆虫しています。
たとえば9月1日に内服すると、1ヶ月前の投薬日以降からの感染を無かったことにします。
薬を飲んだ翌日には、薬は代謝・分解されてしまい体内には残っていないので、投薬した日以降に感染した分は次の投薬で駆虫し無効にできるということです。
蚊が居なくなってから、プラス1ケ月または2ケ月後まで服用するのはそのためです。

蚊の発生は地域によって異なりますが、関東の場合では5月~11月まで飲ませましょう。
※薬を飲ませる時期は、通院している動物病院に確認してください。
※南に行くと蚊の発生時期も長くなりますので、旅行へ行く際には、獣医師に相談することをおすすめします。

犬糸状虫(フィラリア)は蚊の媒介によってのみ感染しますが、媒介する蚊の主なものは アカイエカ、 ヒトスジシマカなどよく見るごく普通の種類です。
蚊は気温15度~30度で活動が活発になると言われ、まさに今の時期から注意が必要です。
「うちの子は、蚊に刺されやすいかも」と思った方は、わんちゃん用の虫除けスプレーを噴霧して散歩に出かけるのも予防のひとつです。
また、アロマセラピーで使用する『精油』には、虫を避ける(虫が嫌がる)成分が入っている精油もあります。精油を使って、オリジナルの虫除けスプレーを手作りするのも良いでしょう。

気候が良くレジャーやお出かけに最適な季節ですが、虫刺されには十分注意してあげましょう。

 

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