ようやく寒さからも解放され、日によっては暑さすら覚えるようになりました。
散歩やお出かけを楽しむにはもってこいの時期になり、ペットとの思い出作りに心躍らせる飼い主さんも多いことかと思います。

しかし毎日がそう心地の良い天気ともいかず、関東圏では週に何度か訪れる悪天候に悩まされることがあります。
今日は雨にちなんで、雨天続きやこれからに控える梅雨の時期に気を付けたいことについてお話します。

〇湿気の影響

梅雨といえば、出かける気持ちを削ぐような雨は勿論、ジメジメとまとわりつくような湿気が苦手な人が多いと思います。

犬は人と異なり、一部の種を除いてほとんどが全身に潤沢な被毛を持っています。

湿度が高いとその被毛の中に湿気が溜まるようになり、毛玉やもつれの原因になるだけではなく、雑菌が繁殖しやすい環境になることで皮膚病を引き起こすこともあります。

人にとっては不快感を与える程度の影響がほとんどではありますが、被毛を持つ動物にとっては健康被害に直結する恐れがあることを理解しておく必要があります。

〇シングルコートとダブルコート

犬の被毛タイプは大きく分けて「シングルコート」と「ダブルコート」の2種に分類されます。

シングルコートとは1種類のみの被毛を持っており、多くのシングルコートの犬種は被毛が伸び続けることで新しい被毛を供給しています。

伸び続ける犬種の場合はトリミングが必要になり、もつれや毛玉も発生しやすくなるため、日々ブラッシングが重要になります。

ダブルコートは細く密なアンダーコートと、太いオーバーコートの2種の被毛を持ちます。
そのためシングルコートよりも保温性能が高い反面、アンダーコートまで濡れると乾きづらいという特徴があります。

また、シングルと異なり、ほとんどのダブルコートの犬種は被毛が生え変わり続けるため、抜け毛の除去も重要なケアの一つになります。

〇それぞれのリスク

上記を踏まえると、乾きづらいダブルコートの方が湿気によるリスクが高いようにも感じますが、シングルコートにも湿気の影響はあります。

人でも癖毛の人であれば共感してもらえると思いますが、湿度が高いと髪の毛のうねりが強くなります。

犬も同じで細く長い被毛タイプのシングルコートは、湿気によってもつれや毛玉が発生しやすくなります。

毛玉になってしまうと当然通気性が落ち、雑菌の温床になってしまうため日々のブラッシングや定期的なトリミングで被毛のケアをすることが必須です。

ダブルコートの場合でも、日々のブラッシングを怠ってしまうと抜けた被毛が絡まるように留まり、さらに通気性を悪化させて雑菌の繁殖に繋がります。

前述のように雑菌の繁殖は重篤な皮膚病を引き起こす恐れがあり、どちらの被毛スタイルであっても湿気は大敵となりますので、適切なケアを心がけていただきたいです。

〇日々のケア

まずは日々暮らす室内の湿度が高くなりすぎないよう、空調設備で除湿などを駆使しましょう。
そして雨の日では犬の身体が濡れてしまうことも多くありますので、その際は必ずドライヤーで乾かして自然乾燥は避けてください。

特にダブルコートの場合は、表面上は乾いていても根元はまだ湿ったままということが多いため、しっかりと根本まで乾かす工夫が必要です。

乾かすときのコツの一つとして、ドライヤーの温風と冷風を使い分けましょう。
温風を当て続けると熱せられた湿気がアンダーコートに滞留し続けてしまうため、時折冷風を当てて溜まった湿気を飛ばしてあげることで効率よく乾かすことができます。

シングルコートの場合、プードルのカーリーコート(巻き毛)などの種はドライヤーだけ当てて乾かすともつれの原因になるため、ブラシを当てて毛を延ばすようにしながら乾かすことを意識しましょう。

最後に、しつこいようですが日々のブラッシングを習慣化してください。

今回は抜け毛の除去やもつれの解消という部分を強く推していますが、ブラッシングは犬との大切なコミュニケーションの一つであり、ブラシの程よい刺激は犬の皮膚被毛の健康に繋がります。

環境を整えつつ適切なケアを心がけ、大切な愛犬の健康を守り、これからの季節を元気に乗り越えていただきたいと強く祈っております。

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執筆

栁澤 公太
一般社団法人全日本動物専門教育協会 公認家庭犬訓練士教師
一般社団法人全日本動物専門教育協会 公認動物共生環境コーディネーター
一般社団法人全日本動物専門教育協会 公認動物臨床助士®
一般社団法人全日本動物専門教育協会 公認トリマー
ペット災害危機管理士®

動物の専門学校にて犬の行動学や人とペットの共生に関して修学。卒業後、ペットリフォームを手掛ける会社に入社し、ペットのための住環境事業に従事。現在は一般社団法人 全日本動物専門教育協会の教師として所属し、高等専修学校や専門学校、大学でドッグトレーニングを主に、その他トリミング、動物看護、ペット防災などペットに関する授業・講座を手広く担当。

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