前回のメルマガでは、「お散歩を避難行動へつなげる」をテーマに、いつものお散歩を少し工夫して、災害時の避難に備える方法についてお話ししました。
今回も、日常生活の中で実践できるペット防災について考えてみたいと思います。

今回のテーマは、「いつものお手入れを、防災につなげる」です。

災害が起きたとき、ペットは普段とはまったく違う環境に置かれることになります。
大きな音がする、知らない人がいる、いつもと違う場所に移動する……。

そんな状況では、普段なら簡単にできていることでも、嫌がったり、怖がったりして、できなくなってしまうことがあります。
だからこそ、平常時から「人に触られること」に少しずつ慣れておくことが大切です。

例えば、犬や猫の足先を触ってみる。

意外と苦手な子が多いかもしれません。
そもそも足先は敏感な部分の1つであり、あまり触られることを好みません。

そこに、爪切りが苦手、というもう1つの苦手意識が重なることで、触ってほしくない場所になってしまいます。

しかし足先は、災害時にケガをしていないか確認するときにも重要な場所です。
普段から触られることに慣れていなければ、いざというときに確認することが難しくなります。

体を触ることも同じです。

「今日はどこか痛がっていないかな?」、「いつもと違うところはないかな?」と、普段から体に触れながら確認する習慣をつけておけば、ちょっとした変化にも気づきやすくなります。
苦手な部分に触って慣れさせるには、まず好きなもの、おやつやおもちゃを用意します。
それで気を引きながら苦手な部分にそっと触ってみます。
ちょっとでも我慢できたらおやつをあげたりおもちゃで遊んであげたりして褒めてあげます。

爪切りを嫌がる場合には、まずは爪切りを見せるところから始めてみます。
昔から、急いては事を仕損じる、と言います。
時間をかけて慣らしていきましょう。

触られることに慣らすと同時に、ブラッシングや抱っこなどに慣らしておく必要もあるでしょう。

災害時、衛生管理はとても重要な問題です。
こまめにブラッシングをして抜け毛の飛散を最小限にする。

抱っこに慣れておくことで、獣医療関係者が来た時にスムーズに診察してもらえるでしょう。

いつもとは違う状況だからこそ、いつもより気をつける必要があります。
だからこそ、「いつもの積み重ね」が、災害時のペットを守る力になります。

災害は、いつ起こるか分かりません。
だからこそ、特別な日ではなく、何も起きていない今日からできることを一つずつ始めてみてはいかがでしょうか。

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執筆


佐藤 麻衣
一般社団法人全日本動物専門教育協会 家庭犬訓練士中央委員会 中央委員長
一般社団法人全日本動物専門教育協会 動物介在福祉士中央委員会 中央委員長
一般社団法人全日本動物専門教育協会 公認家庭犬訓練士教師
一般社団法人全日本動物専門教育協会 公認動物介在福祉士教師

長年動物の専門学校で教鞭をとり、犬のトレーニングや動物介在福祉活動などに従事。現在は大学や専門学校、国内初の官民協働PFI刑務所の職業訓練プログラムに於いて、トレーニング技術を教え、一般の飼い主に向けても資格取得に向けた講座やペット防災のための犬のトレーニングなど様々なセミナーで活躍。

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