昨年の今頃オーストラリアでは史上最悪の森林火災が猛威を振るっていました。幸いその後に起こった30年ぶりの大雨で全ての火災が収束へ向かいましたが、その頃社会を騒がし始めた新型コロナウイルスの影響で国民が抱いていた‘危機感’は‘火災’から‘コロナウイルス’へと移行し、連日のコロナ報道でこの森林火災は忘れ去られてしまったかのようでした。
そんな中、オーストラリアの大学に籍を置く科学者達のグループが自然環境保護団体(WWF)に依頼した被害報告書が昨年7月にリリースされました。火災の最中の予想ではNSW州とVIC州をあわせ被害にあった動物達の数は1億2500万といわれていましたが、それ以上の国土も含む凡そ146万ヘクタール(イギリスに相当する広さ)を対象に2019年9月から2020年2月までの期間を調査した報告書によると被害にあった動物達は30億というとてつもない数に上り、“野生生物に於ける近代史上最悪の惨事”であると報告されています。
爬虫類:2,460,000,000
鳥類:180,000,000
哺乳類:143,000,000
蛙類:51,000,000
今回調査の対象になった焼死又は住処を失った動物は哺乳類、爬虫類、鳥類そして蛙類で、その結果、専門家によると今後も過度な森林伐採が行われ、気候変動が緩和されず、野生動物保護地区の大幅な拡張が行われない限りNSW州に生息するオーストラリアを代表する動物コアラは2050年までに絶滅すると予想されています。
「30億という数はあまりにも大きすぎて想像するのは難しいですが、膨大な数であることは間違いありません。(クリス・ディックマン教授)」
正確な死亡数は未だに伝えられていませんが、食べ物や水が不足している環境で火災を逃れて生き延びる確率は残念ながら高くないでしょう。
オーストラリア政府は50億ドルを野生動物と生息環境の復興に投じましたが、国に対して更なる森林保護法の強化を求める環境保護論者の声が高まっています。
さて、当時焼け野原で生存しているコアラ達の捜索に大活躍をしハリウッドのトム・ハンクスをファンに持つ探知犬‘ベア’は今回の夏の森林火災シーズンに向け去年の9月には準備を終え今もQLD州で元気に活躍しています。1年前に助け出されたコアラ達の多くは数か月間のリハビリ後、無事野生に戻りました。今後の種の生存にかけて一匹でも多くのコアラが子孫を残せるよう、地球のガーディアンである私達人間は今まで以上に真剣に自然環境とそのアプロ―チについて考えなおす必要に迫られています。

▼Fire Safety for Your Pets
https://www.rfs.nsw.gov.au/__data/assets/pdf_file/0006/9429/Fire-Safety-for-your-Pets-Factsheet.pdf
資料提供:NSW Rural Fire Service























































