人口増加に伴う住宅面積の縮小化や、物価上昇により夫婦ともに仕事で留守時間が長くなってきているなど、経済状況、生活環境などの変化に伴い、ここオーストラリアでは犬を取巻く飼養環境が変化しています。
この変化する飼養環境に対応したトレーナー育成プログラムをもつ、National Dog Trainers Federation Australia(NDTF)とはどのような団体なのか、その活動をご紹介します。
NDTFとは
オーストラリアビクトリア州に本拠地を置く、全国ドッグトレーナー連盟のことで、1993年に発足。現在ある犬の教育団体の中で、政府が認定する唯一の団体です。
変化する飼養環境に対応するために、最新の科学的検知や業界が直面している問題などを分析し、市場ニーズにあったトレーナー育成コースを構築しています。
また、国内の様々な分野で活躍する犬のトレーナー達は、NDTFに加盟することで、SNSコミュニティーに参加することもでき、業界が抱えている最新の問題や解決策をどこにいても知ることができます。
NDTFトレーナー育成プログラムの受講スタイル
NDTFが提供するトレーナー育成コース(犬の行動学とトレーニング)はセオリーと実技の2つのユニットに分かれており、受講生はどこに住んでいても、オンラインとメールや電話による個別コーチングでセオリーを学ぶことができます。
また、実技はエリアごとにNDTFの委託施設があり、受講生はその場所で、NDTF講師のもとで2度にわたるそれぞれ8日間の実技講習に参加し試験を受けます。
※例えばシドニーの場合、Pet Resorts Duralの施設にて受講します。
ライセンス取得後の受講生の活躍
受講生の目的は様々で、ライセンス取得後、過半数はトレーナー、デイケア、サロン、セラピー犬、介助犬などの業界で活躍し、その他は個人のスキルとして実生活に役立てています。
競争が激しいと言われるトレーナー業界で独立開業を目指す場合は十分な経験、信用とビジネスセンスがなければ難しく、ほとんどがトレーニングを行う組織に属し様々な犬種やケースにあたりながらトレーナーとしての経験を積んでいます。
最新の科学的検知からトレーナー教育にそのエッセンスを取り入れていく考えは、環境や市場が変化する限り、トレーナー教育に終わりがないことを意味しています。
また、SNSコミュニティーを使った問題提議と解決においても、責任者講師が管理するサイトで、参加者は自分達の経験を元に意見を交換し、互いに学び、助け合いながら最善の解決策を探すという、プロ意識の高いコミュニティーの運営で、日本も模範すべきところが多々あると感じます。
National Dog Trainers Federation
所在地: 20 Havelock Rd, Bayswater VIC 3153
TEL: +61-1300-66-44-66
HP: http://www.ndtf.net.au/