コロナの影響による突然のペットブームはここオーストラリアも同じですが、それに伴い地元のニュース番組で「最近のペット泥棒増加に対する注意の呼びかけ」があり話題になっています。
被害者のひとりは、南オーストラリアのアデレードで救急現場の最前線で働くシャラッド・パンディト医師。
仕事柄、長時間自宅を留守にすることが多く、「仕事を終えて家に戻ると、バリー(ブルドッグ)がそこに居てくれるので心の平和が戻り、落ち着いてリラックスすることができます。彼は私にとってかけがえのないオアシスです。」と語ります。
その大切なバリーがある日いなくなり、思い余ったパンディト先生はシドニーのペット探偵、アン・マリーと相棒のアーサーに捜査を依頼したところ、間もなくバリーは他の家族と一緒に暮らしているところを発見されました。
その後ちょうどパンディト先生の60歳の誕生日に無事家に戻り、本人曰く「今までで最高の誕生日プレゼント」になりました。
バリーが果たして自宅の庭にいたところを連れ去られたのか、偶然にゲートの鍵がかかっていなかった為に外に出てしまったのかは不明ですが、法律では、たとえペットが迷子になっていたとしても、見つけた人はそのペットが持ち主の元に戻ることができるように何らかの措置をとるよう定められており、自分のペットとして所有することは禁じられています。
ペット探偵によると、コロナ禍で生活パターンが変わったことでペットに対する需要が急増し、ペット泥棒が増えています。
家での寂しさを紛らわすためにペットを望む人が増えていることを利用し、盗んだペットを転売したり自分で飼うなどを目的とした犯行です。
10歳になるジャックラッセルのジェイクは飼い主のジェラルドがスーパーに立ち寄ったほんの数分ほどの間に近所の公園のベンチに繋がれていたところを何者かに連れ去られてしまいました。
ペット探偵がFacebookで助けを呼びかけたところ、14万人以上にニュースが流れ地元の人たちがポスターを張るなど、多くの人たちからの協力を得て、犯人は翌日逮捕されジェイクは無事ジェラルドの元に戻りました。
このようにSNSの拡散力を利用したペット捜索活動が州や地域ベースで活発に行われており、ペットオーナー達はそれらのグループを利用して互いに繋がり助け合い、この問題に対処しています。
コロナ禍で混沌とする社会である一方、人と繋がり協力し合うことの大切さがここでも再認識されているようです。