先日オーストラリアではテレビやメディアを通してペット献血への呼びかけが行われました。
私達人間が見知らぬ人からの献血により命を救われるように、1匹の犬からの献血が場合によっては3匹までの犬を救うことが出来ます。
シドニーやメルボルンなどの主要都市にあるいくつかの動物病院では常時ペットによる献血を奨励しており、オーストラリア動物血液バンク(Australian Animal Blood Bank)は“Donate with a Mate(相棒と一緒に献血をしよう!)”を合言葉に人間(オーナー)とペットが同時に献血を行う事ができる世界初の移動採血車を用い献血を呼び掛けています。
輸血は怪我や毒物によるトラウマ、癌、血液疾患、または手術中の多量出血など様々な場面で必要とされており、肉体的・倫理的条件を満たせば犬であれば3匹に1匹、猫であれば5匹に1匹の確率で献血を行う事ができます。
牧場や田舎の民家ではネズミ駆除用に撒かれた薬品による中毒が多く、これらの薬品には血液の凝固を阻止する成分が含まれているため大量の輸血が必要となるケースも多々あるようです。
■ペットの血液型
犬の血液型は15種類に分かれており、猫は3種類。
猫の輸血は同じタイプの血液でなければならないとされている一方、犬はマッチするタイプがない場合は最初の輸血に限り、他の血液タイプでも可能とされています。
■献血できるペット
▼ペットが献血を行う場合の主な条件
・年齢は1歳から5歳まで
・体重は犬の場合は25kg以上、猫は4kg以上であること
・健康状態は良好で予防接種済みであること
・性格は大人しく落ち着いていること
一回の献血で採取される量は犬の場合450ml(人間の場合はオーストラリア平均470ml)、猫に至っては体重の20%で最高50mlとされています。
また採取された血液は冷蔵で35日、冷凍の場合は5年間の保管が可能です。