2019年12月以降、中国湖北省武漢市を中心に発生し、短期間で世界に広まっている新型コロナウィルスによる肺炎。
日本国内では2月1日より、感染が確認された際に強制的な入院などを勧告できる“指定感染症”に定められ、国を挙げて感染拡大を防ぐ体制づくりが進められています。

感染拡大を巡る懸念に関心が集まるなか、ペットと暮らす皆様は、やはり犬猫への影響も気になるところではないでしょうか。
SAEペットの資格では「新型コロナウィルス」をテーマに全３回に分け、SAE顧問獣医師　岩佐先生がご説明する連載企画をスタートします！

岩佐保宏先生

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SAEペットの資格講座　監修する獣医師軍団

獣医師が解説！世界を揺るがす「新型コロナウィルス」と犬猫への影響 Part.１

こんにちは、SAE顧問獣医師　岩佐保宏です。
現在、新型コロナウィルス関連肺炎（以下、新型肺炎）が世界中に拡散していて、連日ニュースを騒がせています。
ニュースで頻繁に取り上げられていますので、皆さん、ある程度の知識はあるかと存じますが、例えば、ご家庭の犬や猫への影響はご存じですか。
ここで改めて、新型肺炎への知識を蓄え、適切な対策をしましょう。
初回は、原因となる「コロナウィルス」についてです。

コロナウィルスって？

実は、コロナウィルスの中には様々なタイプがあります。
身近な例では、人間の風邪もコロナウィルスが主な原因であるケースが多いです。

犬ではコロナウィルスによる下痢症がありますが、成犬では、症状が出ない不顕性感染に終わることも少なくありません。

このように実は珍しくない一般的なウィルスなのですが、実はある特徴があります。
それは【非常に変異しやすい性質を持っている】ということです。
常に新しいタイプのウィルスが誕生しており、その中でごくまれに、強い感染力や毒性を持つウィルスが存在します。

過去そのウィルスによって引き起こされたのが、SARS（2002年から2003年にかけて流行）です。
SARSの際はハクビシンという動物がやり玉に挙げられていましたが、根本的にはコウモリ由来のウィルスであることが解明されており、また犬や猫への感染は報告されていません。

今回の新型肺炎も、人間から犬や猫に感染した、という事例はございませんので過度に恐れることは無いですが、今後の動向によっては一定の注意が必要ですね。

次回は、新型肺炎や新型インフルエンザが拡大していくのに重要な因子である「スーパースプレッダー」という存在についてご説明します。

▼（2月7日時点）新しい情報も発信しました
■連載企画■獣医師が解説！世界を揺るがす「新型コロナウィルス」と犬猫への影響（最新情報）
~「自宅のペットは新型コロナウイルスを拡散しますか？」にWHO（世界保健機関）が回答~

▼2回目の記事はこちら
■連載企画■獣医師が解説！世界を揺るがす「新型コロナウィルス」と犬猫への影響 Part.２
~感染拡大の一因となる「スーパースプレッダー」とは~

 

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