フィラリアは犬の病気として有名ですが、猫にも(フェレットにも人間にも)感染することがあります。猫がフィラリアに寄生されてもほとんど症状が見られないこともありますが、苦しそうな咳や呼吸困難、嘔吐といった症状が見られたり、ごく稀ですが突然死することもあります。

フィラリア症(犬糸状虫症)は、犬糸状虫(フィラリア)と呼ばれる寄生虫が心臓(おもに肺動脈)に寄生して起こる病気です。猫の場合、寄生するフィラリアの数が非常に少ないため、検査では発見できないケースも多くあります。診断が難しく、予防が何より大切といえます。

【予防】
蚊にさされないこと、それに尽きるのですが、通常の生活では1度もさされないなんて有り得ません。数十回、数百回とさされても感染しないこともあり、一方でフィラリア症の血液を持った蚊に1回刺されて感染することもあります。対策として、内服薬、首に垂らす液剤があります。犬も猫も、室外・室内飼いに関わらず、毎年、内服を始める時期には動物病院へ行って血液検査を行ってください。フィラリアに感染している動物に薬を投与すると重大な問題になることもありますから、安心して投与するためにも必ず血液検査を行いましょう。

いつからお薬を飲ませるのが良いのか、地域差がありますが、飲ませ始める時期は、蚊を見かけてから1ケ月後から、蚊を最後に見かけてからプラス2ケ月は服用させると言われています。関東ですと、4、5月~11月の7か月~8か月間(7~8回の投与)。
フィラリアの子虫を殺す作用があり、たとえば5月1日に内服すると、1ヶ月前の4月1日からの感染を無かったことにします。そのために、9月くらいで薬剤の投与を終わりにしてしまうと、万が一、それ以降に感染してしまったフィラリア症を無効にできていないことになります。

フィラリアに対する薬は、予防するものではなくて、駆虫する薬であるということ。「薬の投与」というと、飼い主さんの多くは毛嫌いしてしまい、蚊が居なくなったんだから内服薬の服用は止めたいと思ってしまうのも当然です。ただし、蚊が居なくなった時期のプラス2か月、プラス2回分、愛犬愛猫にお薬を与えることが重要なことを覚えておいてください。蚊の活動期間および投薬期間は地域によって異なるので、かかりつけの動物病院の指示に従うようにしましょう。室内飼いの場合でも蚊に刺される可能性がないとは言い切れません。予防薬を投与することが望ましいでしょう。

猫