第10段階 あきらめ―受容

第9段階 精神的混乱とアパシー(無関心)に対し、ロールレタリング(役割交換書簡法)などの方法を用いることを前回、提案しました。
「価値がない自分」との手紙の交換などにより自己理解が深まると、自分に対する無価値観が弱まり、飼い主としての価値観が高まります。
すると、価値が高いことがわかった自分を見つめなおす作業の必要性が生じます。

これは、
「今のわたしのような姿をあの子に見せたくない。死んだあの子のためにも、立ち止まっているわけにはいかない」
という前向きな感覚といえます。

ここではじめて、飼い主は、自分の置かれた状況を「明らか」に理解したといえます。
第9段階までに経てきた悲嘆の全貌を把握できた感覚と言い換えることができるかもしれません。
第9段階までの自分は、個々の悲嘆に呑み込まれ、防衛機制を総動員してそれらから逃避をつづけ、落胆していました。
しかし、第10段階に到達した飼い主は、自分の価値が上昇しています。
そのため、ペットとの別離というつらい現実に、勇気をもって直面しようとする真剣な努力をはじめられる状態になったのです。

 

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ペットとの別れを悲しいだけのものにしないためにペットロスを正しく理解する

「ペットも家族の一員」と考える飼い主が増えました。それに伴い、ペットとお別れしたときに何かしらの肉体的・精神的不調を訴える人が増えています。ある保険会社の調査によると、「突然悲しくなり涙が止まらない」「疲労感、虚脱感、無気力、めまい」などのペットロスによる症状を1ヶ月以上も体験した飼い主は半数にも上ります。
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