SAEでは資格取得者ならびに通信通学受講生のために、各資格講座で得られる知識にプラスして学び、実践できる技能に磨きをかけるサービス「動物セミナープラスワン」を定期的に企画・開催しています。
このセミナーは、SAEペットの資格 取得者・受講生は無料で参加できます。(★一般参加も可能です)
第9回目となる今回は、特定非営利活動法人ペット災害危機管理士会との共催企画として、「阪神淡路大震災から30年、能登半島地震から1年を振り返り、サバイバーズ・ギルトと心理的アプローチを学ぶ」をテーマに、「会場でのリアル聴講」「オンライン聴講」のハイブリッド式で、3月8日(土)10時30分から11時50分まで開催しました。
会場には7名の聴講生とオンラインは全国から53名の方にご参加頂きました。
講師はSAE学術会員で、『ペットロスケアマネージャー通信認定講座』『災害復興心の絆ペットオーナーズサポーター通信認定講座』を執筆・監修、そして、飼い主心理に精通し、心理教育を飼い主から行政担当者まで幅広く実施してきた実績を持つ獣医師 先﨑仁思先生に登壇頂きました。
今回のテーマであるsurvivor’s guilt(サバイバーズ・ギルト:生存者罪悪感)とは、死者や重傷者が発生した出来事を生き延びたことで感じる罪悪感として知られています。
震災で姉を亡くした女性が、しばらく経ったある時、親子喧嘩の際に、母親に、「おかあさんは、わたしが死ねばよかったと思っているんでしょう?!」と叫ぶ、などの言動をとることや、
「私が、あの人の命を犠牲にしてしまったのかもしれない」
「どうして私だけが助かってしまったのだろう?」
「私さえいなければ、あの人を死なせることはなかったのに」
「何の役にも立たない私が援助をしてもらうなんて、申し訳ない」
などの心理状態になる事を指します。このような方々に対する心理的アプローチとして、傾聴を基本としながら、どのような対応が有効であるかについてお話を頂きました。
傾聴について先﨑先生曰く、「深い悲しみの中にある方の心に浮かぶ思いは、一人ひとり異なり、その思いは当事者にしか分からないもの。周囲が元気づけようとして、安易な感想やアドバイスを述べてしまうと、当事者はその言葉に逆に深く傷つき、心を閉ざしてしまうこともあります。そのため、被災された方とお話をする際には、細心の心配りが必要になるのです。被災された方の苦しみに寄り添うときには、「かける言葉」ではなく、まず「聴く」=“傾聴”が大切です」と教えて頂きました。
その他の災害心理としてトラウマやPTSDの症例、トラウマ・アイランドの存在などのお話も頂き、1時間20分があっという間に過ぎてしまう程、大変内容の濃いセミナーとなりました。
災害時における心理学は非常に奥が深く、今回のサバイバーズ・ギルトもその中の1つにすぎません。
この様な災害心理学はもとより、SAEでは今後も「動物セミナープラスワン」として、通信・通学講座の学びにプラスできる実践知を学ぶ環境を提供していきたいと思っております。
~ご参加者の声~
●初めて知る内容でしたし、非常時の言葉の掛け方など、勉強になりました。
●以前にペット災害危機管理士(R)とペットロスケアマネージャーの講座を受講しましたが、今回の講座は両方を併せ持ったような内容で大変興味深かったです。このような講座を無料で受講させていただきありがたく思います。
●実際に体験された方の辛い思いや、しんどさが本当に伝わりました。声のかけ方も教えていただき、勉強になりました!
●被災したことがない為、寄り添い方がわからないため、勉強になりました。
●このようなテーマで、学べる機会が無く、表面的なことは知っていても実際にどのような事例があるのか、どのようなアプローチが効果的なのかということが理解できたので、良い機会になりました。
●新しい切り口のケアで、防災の観点から知っておくのが必要と感じた。
●トラウマについてや、PTSDについても学べ、無気力な被災者は危険な状態であり、注意深く見守ることが必要だと言う事も知れた。
などご感想をお寄せいただきました。ご聴講ありがとうございました。
「動物セミナープラスワン」の次回開催は決定次第、受付開始します。
その他の通学講座・セミナーの開催予定も随時更新していきますので、通学講座・1Dayセミナー日程ページをご参照ください。
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