愛着が悲嘆を生む

男性ならば時計や万年筆に、女性ならば服やアクセサリーなどに「愛着」を感じることもあるでしょう。
日常用語ともなっている、この「愛着」が、じつはペットロスによる悲嘆の衝撃を左右する重要な条件になります。
ペットロスの悲嘆は、ペットとの愛着(attachment)の頻度と深度が関係して発生します。

愛着という“無敵感”(前編)

愛着は、飼い主がペットに無意識に発した行動(発信行動)に対するペットの反応を意識することでスタートします。

たとえば、飼い主が職場で上司に叱責されて帰宅し、それをペットのそばで語ったとします。
飼い主は、むろん、ペットに何かを解決してもらおうとは考えていません。
ところが、気づくと、ペットが自分の横に座り、まるで「自分の愚痴を嫌がることもなく、じっと聴いてくれた」ように感じたり、「自分に体を寄せて、“大丈夫だよ”と言ってくれている」ように飼い主が感じたとします。
ペットへの愛着は、この時に強化を始めます。
本当にペットが飼い主を気遣った行動をとったか否かではなく、飼い主がそのように感じることで、飼い主は、そのペットへの愛着を強め始めるのです。
これは、ペットの行動が、飼い主にとって適切であったことを示しています。

寄り添う男の子と犬

 

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ペットとの別れを悲しいだけのものにしないためにペットロスを正しく理解する

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