ペットロスの3分類
ペットロスは、概ね3分類できます。
【1】生別以前:ペットは生きているが、飼い主が死別・生別を予感している
【2】生別(1):ペットが生きている場所を知っている
【2’】生別(2):ペットは、どこかで生きているかもしれないと思う
【3】死別:ペットは死んでいる
【1】は、ペットは、目の前で生きているのに、飼い主は悲嘆の中にあります。
これはたとえば、獣医師によって重篤な病名や余命を宣告された飼い主が、その場で泣き伏す、などがそうです。
【2】生別(1)は、人間だけの旅行の夜に、飼い主がペットホテルに預けたペットを思って悲しむ、などが挙げられます。
【2’】生別(2)は、災害などで見失ったペットを思う飼い主の心理です。
精神分析学における、日本の第一人者 小此木啓吾は、対象喪失(object loss)の定義を以下の3つに分類しました。
- 親しい一体感をもった人物の喪失
例:死別などによる「家族」などの喪失 - 自己を一体化させていた環境の喪失
例:災害などによる故郷などの喪失 - 環境に適応するための役割や様式の喪失
例:異動、結婚、転勤、転校などによる心のよりどころの喪失
飼い主と愛着によって連繋してきたペットの喪失は、対象(object)となった家族(ペット)との別れを意味します。
死別としてのペットロスは、上記の1.を主体として、2.(散歩コースという環境の喪失)および3.(飼い主という役割の喪失)を巻き込むものであると考えられます。
ペットとの別れを悲しいだけのものにしないためにペットロスを正しく理解する
「ペットも家族の一員」と考える飼い主が増えました。それに伴い、ペットとお別れしたときに何かしらの肉体的・精神的不調を訴える人が増えています。ある保険会社の調査によると、「突然悲しくなり涙が止まらない」「疲労感、虚脱感、無気力、めまい」などのペットロスによる症状を1ヶ月以上も体験した飼い主は半数にも上ります。
何故このようにペットロスによる症状が現れるのか、どのように対処していけばよいのかを、正しい知識と理論から学び、ペットロスに対するセルフマネジメント能力を身につけてみませんか。
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