第3段階 パニック

多くの場合、第2段階である「否認」と第3段階の「パニック」が連続的に訪れたり、高速度で反復されるため、両者は同一視されやすいですが、学術的には別のステージです。

「否認」がペットとの別離という現実を認めることへの拒否であったことに対し、「パニック」は別離という現実を直視しようとして感じる恐怖によって惹き起こされます。

第2段階では現実への直面化そのものを拒否することで、心は衝撃から防衛されました。
そこで次に、現実を直視しようと試みることで、最初の感情である「恐怖」を感じ、それによる衝撃を心は学んだことになります。

つまり、これは、飼い主の無意識がわずかに防衛機制の窓を開け、恐怖という感覚を取り込み、現実の受容に向けて第一歩を踏み出したことを意味します。

実際には、飼い主が診察台の上のペットの遺体にとりすがり、泣き叫んだり、その場に座り込むなどにより表現されます。

このように飼い主がパニックに陥ることは、それが一時的であれば、悲嘆の段階が正常に進んでいることになるため、むしろよいことだ、といえます。

しかし、パニックに陥った飼い主の様子は、時に激越で、その光景はそれを目撃する第三者に、飼い主にとって意外な感情を催させることがあります。

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