“ふたつの怒り”のはじまり
ペットが動物病院で死別した場合、飼い主のパニックを獣医師、動物看護師などが目撃することになります。
この時、「イヤだ、イヤだ!」とわめきちらし、遺体を抱く飼い主の姿が彼らにもたらすものは、悲愴感だけではないかもしれません。
獣医師たち医療スタッフは、治療のために全力を尽くしたでしょうし、飼い主と歩調を合わせてその瞬間にたどり着いたと思っていたはずです。
ところが、飼い主の反応があまりに強いと、その感情の爆発が、自分を責めているように感じてしまうのです。
この「責められている」という感覚がなぜ獣医師たちに生じるか、については、個別の理由があるはずですが、総じていえば、これもまた対象喪失です。
たとえば、獣医師たちが一定の信頼感を飼い主に寄せていた場合、獣医師たちは、飼い主の速やかな死の受容を予想したはずです。
また、最後まで治療にこだわるタイプの獣医師にとっては、自分の努力は飼い主を満足させられたはずだ、と予想したかもしれません。
ところが、子どものように泣き崩れる飼い主を見た時、それらの予想は覆され、飼い主への信頼感や自分への満足感は喪失し、飼い主とは異なる悲嘆がはじまることになります。
彼らの眼には、飼い主の姿は、自分の治療への批難、批判となって映ります。飼い主の泣き声が「お前が悪いんだ!」と聞こえる、というわけです。
飼い主は、これから第4~第6段階につづく怒りの段階に入ります。
それに先んじて獣医師が自分を擁護するような発言をすると、飼い主の怒りは複雑化し、敵対的で長期的なものになる恐れがあります。
ペットとの別れを悲しいだけのものにしないためにペットロスを正しく理解する
「ペットも家族の一員」と考える飼い主が増えました。それに伴い、ペットとお別れしたときに何かしらの肉体的・精神的不調を訴える人が増えています。ある保険会社の調査によると、「突然悲しくなり涙が止まらない」「疲労感、虚脱感、無気力、めまい」などのペットロスによる症状を1ヶ月以上も体験した飼い主は半数にも上ります。
何故このようにペットロスによる症状が現れるのか、どのように対処していけばよいのかを、正しい知識と理論から学び、ペットロスに対するセルフマネジメント能力を身につけてみませんか。
ペットロスケアマネージャー通信認定講座とは
いつか必ず訪れるペットとの別れをつらく悲しいだけの出来事にしないために、ペットロスに関する心理的基礎知識と理論を学び、飼い主心理の理解と悲しみから立ち直るためのセルフマネジメント能力を身につけます。
詳しくはこちら
★SAE公認動物講師からのプチ講座・セミナー情報、獣医師からの健康管理注意点など飼い主様に役立つ情報配信中★
メルマガサンプルはこちら
(アドレスだけで登録できますので是非お気軽に)