第2段階 否認

第1段階でかろうじてペットの死という衝撃に踏みとどまった飼い主ですが、防衛機制は、堅牢に飼い主の心の崩壊を守り続けています。
つまり、飼い主は、まだ情報を遮断された状況下にあるため、事実を認識できずにいます。

第2段階である否認は、ペットが亡くなったことを飼い主が認めないことによって惹き起こされる現象です。
具体的には死という事実の否定です。感情も理性も死を認めません。これは、「あの子が死ぬはずがない。何かの間違いだ」という感覚といえます。

この状態の飼い主は、ペットの身体に触れ、その温かさを感じて、獣医師や周囲の家族などに、「まだ生きている、助けてくれ」と言いながら、自分の体温を分け与えるように、必死にペットを撫でつづけます。
このような飼い主の状態は、冷静な目を持つ人には奇矯なものとして映るでしょう。
ペットの肉体的な死は、誰の目にも確実で、死という一種の安らぎにようやくたどり着けたペットに、さらに生を求める過酷な欲求とも取られるかもしれません。
しかし、飼い主は、決してペットの身体に鞭を打っているわけではありません。
悲嘆は、飼い主がペットの死を心の底から受容し、その先にある再生へと進むための大切な行為であることを知る必要があります。

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