第9段階から第10段階まで

第9段階で生じた精神的混乱に由来する無関心や無価値観と折り合うため、飼い主は、ロールレタリング(役割交換書簡法)などを用いて第10段階であるあきらめ(受容)にたどり着きました。

その過程で、飼い主は、別離したペットのイメージとの対話を重ね、ペットが自分の精神構造とマイルドに融合し、同化していることに気づき、ペットが今も自分にとって重要な役割を担っていることを自覚できるようになっています。
そして、それが、いわゆる絆の再構築であることを実感し、ペットとの別離というつらい現象を、ゆとりをもって俯瞰できるようになっています。

このゆとりの感覚が、飼い主にペットとの別離との直面化を可能にし、心的発達を遂げさせます。
この状態になると飼い主は、それまでに感じていた自分自身、獣医師、動物病院スタッフ、上司、同僚、家族、動物取扱業者、行政などへの怒りが希薄になり、それぞれの主張や立場について一定の理解ができるようになります。
自分の精神の一部となったペットが飼い主の怒りを望んでいないことを感じ、「別離したペットに恥ずかしくない自分」になるため、さらなる成長を求めるようになります。

 

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ペットとの別れを悲しいだけのものにしないためにペットロスを正しく理解する

「ペットも家族の一員」と考える飼い主が増えました。それに伴い、ペットとお別れしたときに何かしらの肉体的・精神的不調を訴える人が増えています。ある保険会社の調査によると、「突然悲しくなり涙が止まらない」「疲労感、虚脱感、無気力、めまい」などのペットロスによる症状を1ヶ月以上も体験した飼い主は半数にも上ります。
何故このようにペットロスによる症状が現れるのか、どのように対処していけばよいのかを、正しい知識と理論から学び、ペットロスに対するセルフマネジメント能力を身につけてみませんか。

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いつか必ず訪れるペットとの別れをつらく悲しいだけの出来事にしないために、ペットロスに関する心理的基礎知識と理論を学び、飼い主心理の理解と悲しみから立ち直るためのセルフマネジメント能力を身につけます。
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