第11段階 新しい希望 ― ユーモアと笑いの再発見
この段階になると飼い主は、苦しみをあまり感じることなく、別離したペットの写真や動画を顧みたり、ペットとの記憶に繋がる物品、人、場所との接近ができるようになります。
飼い主にとって、それは、自分の一部となったペットとの悲しく楽しい時間の共有となります。
つまり、「〇〇(別離したペットの名前)、よく、お前とここに来たね」という追想より、「〇〇、また、ここに来ているよ」という進行形に近い感覚で事象を捉えることができるようになるということです。
別離したペットと共にある心理が楽しみを増大させ、過去の出来事であるはずの「ペットがソファからずり落ちる動画」を見て、まるで、それが今起きていて、それを別離したペットと“ふたり“で体験しているように捉え、楽しく笑うこともできるようになります。
この時、涙も流れますが、それは、希釈された「再会の願望」がもたらすさわやかな涙といえます。
別離したペットに対する重要性は薄れ、仕事、家庭、恋愛などのライフイベントに意識が向くようになります。
ペットを想い出さなくなること
第11段階と第12段階では別離したペットのことを想い出す機会が減少します。
そして、それを寂しいと感じたり、自分が薄情になったのではないか、と悩む飼い主もいます。
このような飼い主には、たとえば、自分の胸に手を当てたり、胸を軽くノックするよう勧めています。
つまり、別離したペットが自分の胸の中に住んでいるイメージを持ってもらうのです。
時々、自分の中に住む別離したペットを意識してもらい、語り掛けるなどすると、ペットとの関係性を再認識しつづけることができます。
ペットとの別れを悲しいだけのものにしないためにペットロスを正しく理解する
「ペットも家族の一員」と考える飼い主が増えました。それに伴い、ペットとお別れしたときに何かしらの肉体的・精神的不調を訴える人が増えています。ある保険会社の調査によると、「突然悲しくなり涙が止まらない」「疲労感、虚脱感、無気力、めまい」などのペットロスによる症状を1ヶ月以上も体験した飼い主は半数にも上ります。
何故このようにペットロスによる症状が現れるのか、どのように対処していけばよいのかを、正しい知識と理論から学び、ペットロスに対するセルフマネジメント能力を身につけてみませんか。
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