昨日、都内のタクシー事業者が国に申請していた、利用者にマスクの着用を求める感染防止対策について、国土交通省が認可したことがわかりました。
病気などのやむを得ない事情など正当な理由がなくマスク着用を拒否する場合は、運転手は乗車を断れるようになります。
新型コロナウィルスの感染拡大防止策として、運転者だけでなく次に乗車する利用者の感染防止対策も目的としています。

このような新型コロナウィルスに関連した「マスク着用問題」は、ペットショップやトレーナーが働く現場からも、とある現象が起きている、という声を聞くようになっています。
トリミング中やトレーニング中に、「なぜマスクを着用しないのか?犬が新型コロナウィルスに感染したらどうするんだ!」「なぜ犬にマスクをしてあげないの?」というお客様からの声が増えている、というのです。

店舗の新型コロナウィルス対策について

どの店舗も、定期的な換気や消毒は徹底しています。
そもそも、動物を扱う店舗などは、日頃から様々な感染症への対策として、消毒などは徹底して行っています。
店舗で感染症を出すわけにはいきませんから。

マスクの着用の是非

お客様の安全のために、対応時はもちろん装着しているわけですが、作業中は一時的に外していることがあります。
それはなぜなのか?
マスクをしたままドライヤーなどを使ってみるとお分かりいただけるかと思います。

さらに、万が一犬が暴れた時に、マスクに爪などひっかかると人も犬もケガをする可能性があります。
マウスガードやフェイスシールド、ゴーグル等も同様です。

また、人の感情を表情によって読み解くことが多い犬や猫にとって、家族以外の人と接している時に、マスクによって表情がほぼ隠れてしまっている状態は、非常に不安を感じる状況です。
人がそうであるように、犬や猫にとってもマスクをしたままコミュニケーションを図ることは難しいうえ、人とは違い言葉が通じないことを考えると、マスク着用を断念せざるを得ない状況があることを理解してほしいと思います。

犬への感染リスク

国内外で、犬から新型コロナウィルスが検出された報告があります。
それだけ聞くと、非常に不安になるのもわかります。

しかし現状では、犬が人間から新型コロナウィルスに感染する確証が得られたわけではありません。
現時点では、感染者と非常に濃厚に接触した場合に、ごく稀に犬からウィルスが検出されることがある、というのが通説となっています。

また、店舗側も、お預かりした犬や猫を、飼い主の元へお返しする場合には、被毛を拭うなどして万が一にでもウィルスが付着していないように気を配っています。

犬や猫へのマスク着用

犬や猫が新型コロナウィルスに感染した場合の重篤症状はいまだに報告があがっていません。
特に、猫では感染が広がるものの、犬では感染が拡大するのかどうかすら、未だ報告はありません。

この状態で「犬や猫にマスクしなくて大丈夫なのか?」はあまりにもナンセンスです。
インターネットなどでマスクをした犬の画像を見かけるため、着用できると思いがちですが、純粋に犬や猫にマスクを着用させるのは命に関わる場合があります。
誤食や誤飲によって気道が塞がれ呼吸困難に陥る可能性や、熱が籠ることで熱中症のリスクが倍増する可能性があるのです。

本来なら、冷静になって考えれば想像がつくことでも、新型コロナウィルスへの恐怖心から何がなんでも「マスク着用!」となってしまっているのでしょう。

まずは人が用心すること

犬や猫への感染を恐れるのは理解できます。
しかし、人と同じような対応を犬猫にできるわけではないことをいま一度冷静になって考えてみましょう。
そして、何よりも人が感染しないよう最大限の用心をすること、もし感染してしまったときの対応策を講じておくことのほうが重要です。

マスクを着けた犬

 

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