本格的な乾燥シーズンを迎え、コロナやインフルエンザをはじめとした感染症が複数流行し、体力が弱った状態で次々と別の病気に感染する「感染症ドミノ」にかかる人が増えているそうです。
ただでさえ風邪をひきやすい季節ですので、体調管理が心配になりますね。
風邪をひくのは私たち人間だけではありません。犬や猫も風邪をひくことがありますので、飼い主さんが日々の体調管理をしっかりしてあげましょう。
この犬猫の病気、俗にいう風邪のようなものは犬や猫から人間にうつったりするのでしょうか?SAE顧問獣医師の岩佐先生が解説します。
犬猫の風邪症状
まず、犬や猫の風邪についてみていきます。
症状としては、
- 咳をしている
- くしゃみが出る
- 体温が高い
- 下痢をしている
- 元気がない
- 食欲がない
などが挙げられますが、原因となる病原体は犬と猫で異なります。
犬では、パラインフルエンザウィルスや犬アデノウィルス2型などが原因となり、猫では猫ヘルペスウィルスや猫カリシウィルスなどが代表的です。
これらの病原体、実は、人間にはうつることはありません。
犬のものや猫のものはそれぞれタイプが異なり人間には感染できないのです。
なお、人間の風邪やインフルエンザが犬や猫にうつるのか、に関しては、こちらのコラムをご参照ください。
【獣医師からの健康注意点】人間の風邪は犬猫にうつる?
犬猫から人にうつる病気
犬や猫の風邪は人間にはうつらないことをご説明しましたが、だからといって濃厚接触を繰り返すことにはリスクがあります。
「パスツレラ菌」という菌は、犬や猫に常在している細菌で、犬や猫に病原性を示すことは稀です。
犬や猫とキスをしたり、口移しで食べ物を与えたりするなど犬や猫との濃厚な接触によりパスツレラ菌を吸い込むことで、人間に感染しパスツレラ症を引き起こします。
呼吸器系で感染して、咳、たん、鼻水、喉の痛みなど風邪のような症状が見られ、重症化すると肺炎・気管支炎や副鼻腔炎などを起こすこともあります。
高齢者や子供など、抵抗力の弱い人では重篤化することもある病気なので、気を付けましょう。
犬や猫の風邪は人間にうつることはありませんが「人獣共通感染症(ズーノーシス)」という、犬や猫から人間にうつる病気は多々あります。
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