動物病院へのペットロス・プロセスの理解の普及

現在、不幸なことに、少なくない数の動物病院が飼い主との訴訟をかかえています。
これは、飼い主が自分に向けた怒り・ルサンチマンを獣医師・動物病院が真正面から受け止め、これに対抗しようとするからです。

しかし、当コラムで述べているように、獣医師・動物病院に対する怒りは、正常な悲嘆のひとつの段階です。
怒りに支配されている飼い主は、怒りによって急速に消耗するエネルギーを補うために獣医師たち「権威者」の反撃を求めます。
獣医師たちが反撃を試みると、それがエネルギー源となり、飼い主の怒りは長引き、飼い主はこの第5段階に拘束され、次第に離脱できなくなり、病的な悲嘆へと傾斜していきます。

大切なことは、飼い主の怒りがどれほど激しく侮辱的であっても、それは飼い主にとって次の段階に進むために必要不可欠なプロセスであり、しかも、その怒りは次の段階において軽減することをあらかじめ知っておくということです。

第5段階の怒りは、飼い主・動物病院双方にとって、とても危険な状態です。
飼い主はもちろん、動物病院スタッフもぜひペットロスがプロセスで進むこと、相手の怒りを受容し、認めることをお勧めします。

怒りの言動が、どれほど理路整然と聞こえるにせよ、それを発動させている飼い主の本心は、苦しい自責の念の中にあります。
飼い主の無意識の底からほとばしり出る悲嘆の声にかすかに耳を傾けるだけで、飼い主、動物病院スタッフは、ともに、あの愛らしいペットの面影を想い出すことができるのです。

 

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ペットとの別れを悲しいだけのものにしないためにペットロスを正しく理解する

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