例えば、ペットを飼っている飼い主さんたちの中に、「ペットが関わる法律や条例」がどれだけあるのか、把握している方はどれほどいらっしゃるでしょうか。
そんな法律の中でもよく耳にするのが「狂犬病予防法」や「動物の愛護及び管理に関する法律」、「身体障害者補助犬法」ですね。
もちろん、各都道府県の条例を含めると、本当にたくさんの「知っておかなければならないこと」があります。
今回は身近なところからペットが関わる法律や条例を、犬猫飼養アドバイザーが取り上げます。

「知らなかった」では済まされない

法律で接種が義務付けられている「狂犬病予防接種」。
近年このワクチンの接種率低下が叫ばれています。当協会のメルマガでも何度か取り上げてきました。

いまだに世界で流行している狂犬病は、効果的な治療法がなく、発症するとほぼ100%死亡する恐ろしい病気であり、ワクチンで防ぐしかありません。
病気や高齢によってワクチンへの負担が大きく接種を見合わせることもありますが、これも飼い主の自己判断ではなく、獣医師がきちんと診断した上で、判断することです。

また、狂犬病予防接種を打たせない方の中には、海外の事例を持ち出す方もいます。
しかし、国によって狂犬病を媒介する動物種に違いがあること、検疫の制度や、発生したときの徹底した対応、飼い主のモラルなど、日本とは違う状況が様々にあります。
海外ではワクチン接種は義務ではない、禁止されている!というのは簡単ですが、では実際に狂犬病が発生したときにどのような対応をするのかまで知っているのでしょうか。
自分に都合のよい情報だけに踊らされるのではなく、なぜそのようになっているのか、一旦発生した時にはどのような処置がとられるのかまでしっかり理解することが大切です。

ちなみに、狂犬病予防接種を打たせていない場合、罰則として数十万円の罰金が科せられることがあります。

改定される法律に敏感になりましょう

今年、動物の愛護及び管理に関する法律が改定され、生体を販売する場合の年齢制限や、マイクロチップ装着の義務化などが組み込まれました。
ニュースでも取り上げられましたので、ご存じの方もいらっしゃるかと思います。
身近にいる犬猫たちに大いに関わる法律ですから、注目度も高いと言えます。
しかし、近年ペットとしても人気の高いカワウソに関する規制についてはどうでしょうか?

環境省は今年8月27日、絶滅が危ぶまれるコツメカワウソとビロードカワウソについて、国内での取引を規制する方針を固めた、と報じられました。
これは、ジュネーブで開催されたワシントン条約締約国会議で、国際取引を原則禁止とする見通しとなったことを受けた措置で、種の保存法の政令を改正し、国際希少野生動植物種に指定、この11月末に施行予定とのことです。

そもそも、コツメカワウソは動物番組で取り上げられたことがきっかけで日本で人気が過熱、カワウソと触れ合えるカフェが各地に開店し、ペットショップでは高額で取引されることもあります。
それにともなって、生息地の東南アジアでは日本向けに密輸を図り、摘発・逮捕される例が相次いでいて、今回の会議でも、野生種の日本への密輸が特に問題視されたとのこと。

環境省は、今後、変更内容の周知徹底を進めていくといっていますが、身近にコツメカワウソなどを飼ってらっしゃる方がいる場合には「こうなるらしいけど、知ってる?」と伝えることも重要。

このように、身近にいる動物が関わる法律を知ることも、飼い主としては大切なことです。

 

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