一気に秋が深まり、朝晩はひんやりとしてきましたね。
これから冬に向かいはじめ、さらに気温が下がってくると言われるようになるのが車を運転する前の「猫バンバン」という行為。
ボンネットの中に入り込んだ猫がいることを想定して、音を立てて脅かし、逃がそうという取り組みです。
この音で逃げてくれる猫さんなら万々歳。
しかしそうは簡単にいかないのが猫たる所以でしょうか。
犬猫行動アナリストと「猫バンバン」の有効性を猫の習性と照らし合わせてみましょう。
「猫バンバン」子猫相手は要注意
実際のところ、ボンネットをたたいて音を出しても、逃げない猫も多くいます。
我が家も、夏場にボンネットに子猫が入り込むことが何度かありました。
家族が車を運転しようとしたところ、母猫が車の周りを鳴きながらうろついているのを見て、子猫が入り込んだのでは?と疑ったのです。
その時、猫バンバンの記事を思い出したとかで、ボンネットを叩いたわけですが、一向に子猫は出てきません。
そもそも、車体を叩かれるのは、正直勘弁してほしいのが本音。
大事な移動手段であり、自分のお気に入りの空間でもあり、車中泊のお供であり、こまめに点検にも出して洗車も欠かさない私からしてみると、猫ももちろん大事ですが、同じくらい車も大事なのです!
慌てて外に出てみると、やはりまだ子猫が出てきた様子はありません。
そこで気がついたのは、「猫は恐怖を感じたり驚いたりすると固まってしまう」ということでした。
捕食される側でもある猫は、身の危険を感じると、じっと動かずに身を隠す習性があります。
ということは、外の様子がうかがえないボンネットの中で、突然大きな音が聞こえたら、逃げるより先に固まってしまうのではないか、と考えたのです。
さらに、経験豊富な成猫であれば、飛び出して逃げる、という行動を取れるかもしれませんが、子猫はまだ経験も浅く、じっと身を潜めて母猫が助けに来るのを待つのではないでしょうか。
同じひと手間をかけるなら
念のためボンネットを開けると、子猫はほんのわずかな隙間に体をねじ込むように縮こまっていました。
きっと、出ることもできず、より安全な場所を求めて狭い所に行ってしまい、余計に出られなくなったのでしょう。
それ以来、母猫が車の周りをうろついている時はもちろん、車を利用する前に、ボンネットを叩くのではなく、開けて細部まで確認するようになりました。
さらに、車体の下部を一通り見るようにも心掛けています。
子猫は体が小さい分、ほんのわずかな隙間に入り込むことができます。
もちろん手間ではありますが、このひと手間で猫たちの命を守ることができるのであれば、と納得しています。
「猫バンバン」よりも確実な目視を
インターネットなどでは「猫バンバン」についての記事をよく見かけますので、やってみよう!と思われる方も多くいらっしゃると思います。
しかし、中には車を非常に大事に思っている方もいて、車体を叩かれることに苦痛を感じることがあることを知ってもらうとともに、猫の習性として、驚いたら動けない可能性を視野にいれ、叩くよりはボンネットを開けて確認する、ということを実践してみてはどうでしょうか?
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