GW最中の5月1日、宮城県で震度5強の地震があり、大きな被害は無かったものの、仙台市内で水道管破損や東北新幹線の運転見合わせなど、影響が残りました。
いまだ日本各地で新型コロナ新規感染者数が増加しているなか、自然災害も待ってはくれません。
新型コロナの登場により、自然災害に対して防災のあり方も考えを改めないといけない局面を迎えています。
なかでも、災害から安全を守るための避難所で、三密回避やソーシャルディスタンス確保をはじめとする様々な課題が浮き彫りになっています。

前回の記事ではペット災害危機管理士(R)が新型コロナウィルスを意識して、避難所などで気をつけることをご紹介しましたが、今回は「分散避難」や「車中避難」についてご紹介します。

▼前回の記事はこちら
【ワンポイントアドバイス】新型コロナウィルスを踏まえての新たな防災準備①~避難所での感染リスクを下げる方法と持っていくもの~

分散避難とは?

今までは、災害が起こりそうなとき、起こった時には自治体などが定める避難所に避難していたと思います。
しかし、新型コロナウィルスが猛威を振るう中、今までのように「避難所」に多くの人が密集すると、感染が拡大するリスクがあります。
そのため、「避難所」への避難以外にも、「親戚・知人宅」「ホテル」「在宅避難」「車中避難」などさまざまな避難先に、地域の人たちが分散して避難することが求められるようになります。
実際に、民間会社が社屋の一部を避難所として利用できたり、ホテルを避難所として利用できるように、少しずつですが、対応が進んできています。
ただし、通常の避難所と同じように、ペットを同伴できるかどうかは事前の確認が必要です。

車中避難の注意点

今までも、地震や水害で避難を余儀なくされた時に、車中避難を選択した被災者が多くいます。
今一度、車中避難の注意点を確認しましょう。

車中避難で最も注意が必要なのは、エコノミークラス症候群です。
長時間座っていたり、車中泊を続けていると、足や下半身などにできた血液のかたまり(血栓)が、血流に乗って肺の血管(肺動脈)につまり、胸の痛み・呼吸困難・循環不全などをきたし、場合によっては死に至る恐ろしい病気です。
そのため、車中避難をする場合には、車内での姿勢に気をつけましょう。

また、新型コロナウィルスでは、心筋梗塞や脳梗塞といった命に直結する病気を引き起こす可能性も示唆されており、エコノミークラス症候群とともに注意する必要があります。

車中避難は誰にもでも勧められるものではないと言われています。
例えば、

  • 65歳以上の方(肺炎にもなりやすいのでより注意!)
  • 持病をお持ちの方
  • 半年以内に入院、手術、出産した方
  • 妊娠中の方
  • 運動能力に衰えのある方
  • 新型コロナウィルスに感染したことがある方や濃厚接触者の方たち

これらの方たちは、通常より血栓ができやすいといった問題があるので、避けた方が良いそうです。

ペットを飼われている方の中には、最初から車中避難を選択している方も多いのですが、上記に該当する方は、見直した方が良いかも知れません。
いくらペットのために車中避難を選択しても、それで飼い主が健康を害し、入院や最悪お亡くなりになった場合、残されたペットたちはどうなるでしょうか。

コロナ禍のいまに限らず、災害は予測できず、当初考えていた避難方法が選べない場合もあります。
行政が管理する避難所、分散避難先、車中避難、在宅避難など、様々な避難先を検討し、飼い主とペットが安全に、そして健康に過ごせる方法を、今のうちに検討しておきましょう。

実際に、自治体などは、新型コロナウィルスにおける避難対策をすでに検討、運用を始めています。
その中において、新型コロナウィルスに気をつけながらペットと一緒に避難する難しさ、ということが出てくるかもしれません。

「いまコロナが大変だから」などと、災害は空気を読んではくれません。災害が起きてから後悔することがないよう、心構えと準備をしておきましょう!

車の窓から顔を出す黒い犬

 

ペットとの防災、同行避難について正しく知り防災意識を高めるには?
ペット災害危機管理士(R)通信認定講座ペット災害危機管理士(R)通学認定講座で、人とペットの身を守ることを重点に災害発生時の危機管理の知識を学べます。

 

▼こちらもチェック!
新型コロナウィルスから考える「目に見えない災害」

 

メルマガ★SAE公認動物講師からのプチ講座・セミナー情報、獣医師からの健康管理注意点など飼い主様に役立つ情報配信中★
メルマガサンプルはこちら
(アドレスだけで登録できますので是非お気軽に)