暦の上では秋を迎えたはずですが、まだまだ暑い日が続きますね。
今回は身近にある危険な植物シリーズ、8月編第二弾です。
8月はひまわりやアサガオなど、様々な花の季節ですが、その中で犬や猫にとって非常に危険とされる「ユリ」についてお話していきます。
キレイな見た目に惹かれて、うっかり犬猫が危険な目に遭わないよう、愛玩動物救命士と確認しましょう!
ユリの季節と種類
ユリは、主に6月から8月にかけて香りの良い花を咲かせる球根植物です。
正直に言うと、私はこの強い匂いが苦手で・・・・。
犬猫を飼っていなくても、ちょっと敬遠したい植物でもあります。(ユリが好きな方いらっしゃったらすみません!)
ユリは非常に種類が多い上に園芸品種もたくさん作られており、ヤマユリのような大輪咲きからオトメユリのような小ぶりな花まで、本当に様々です。
ペットにとっては有害物
そんなユリは、ペットにとって非常に厄介な植物と言えます。
犬がユリを口にした場合、主に嘔吐や食欲不振、腎不全が生じ、他にも多飲多尿などの症状が生じるとされています。
通常は2〜6時間で症状が出現し、腎不全は3日以内に起こす可能性があります。
猫の場合、元気がなくなる、嘔吐や下痢などの消化器症状、尿が少なくなるなどの症状が現れる可能性があります。
また、嘔吐や下痢などの消化器症状から始まることがあり、消化器症状は時間の経過とともに軽減する傾向にありますが、腎障害は急激に進むと考えられており、わずか数日で死に至った事例もあります。
ユリのどの成分が毒となっているのかはっきりとはわかっていません。
そのため、ユリのどの部位(花、花弁、花粉、葉、茎、根など)を摂取しても、危険であると考えられています。
また、ユリを活けていた花瓶の水にも中毒物質が溶解するため、これを摂取すると中毒症状を引き起こす場合があります。
危険なのはユリだけではない
ユリ科の植物は、犬や猫に中毒症状を引き起こすと捉えていいでしょう。
代表的なものとしては、カサブランカやヤマユリ、オニユリ、カノコユリ、テッポウユリなどが挙げられます。
その他、チューリップやカタクリ、ヒヤシンスなど、ユリ科の植物も中毒症状を引き起こすため、注意が必要です。
危険度がより高いのは猫
犬と猫、どちらがより危険性が高いかというと、猫でしょう。
高いところなどにユリを飾ったとしても、猫の身体能力からすると容易に近づけるということが1つ。
もう1つは、セルフグルーミングをする習性があることが1つです。
ユリの花粉は布製品につくと厄介で、花粉がついた部分を除去してから飾ったりすることが多いと思いますが、つぼみが開いた時に、猫が花に近寄り、鼻や身体についた花粉を舐めとる可能性は大いにあります。
そしてもう1つは、犬と猫の体内の薬物代謝の違いも挙げられます。
猫の場合、肉食に適応していく中で、肝臓の解毒経路であるグルクロン酸抱合を失い、そのため、多くの植物を体内で処理できず、さまざまな中毒症状がでてしまうのではないかと考えられています。
また、前述したように、ユリの毒性成分は特定されておらず、厳密な量は明確にされておらず、ごくわずかな量でも症状が現れる可能性があります。
一般的に毒性の許容量は、体重に影響されるため、同量のユリを犬と猫が誤食したとしても、体が小さい猫の方が危険度が高いのです。
ユリや、ユリ科のチューリップなどが好きで、どうしても室内に飾りたいという場合には、飾ってある部屋に猫が入れないようにすると同時に、もし摂取してしまった場合には、すぐに動物病院へ連絡し、必ず診察をしてもらいましょう。
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