これまでの振り返りと「第12段階 立ち直りの段階―新しいアイデンティティの誕生①」
アイデンティティとは、自我同一性と訳されるもので、飼い主の持つ自己イメージと他者から見る自分のイメージが違和感なく重なり合っている状態をあらわします。
とくに第10段階まで、飼い主はアイデンティティが揺らいでいました。
アイデンティティには4種類あり、そのうち不安定なアイデンティティには、以下の3つがあります。
- モラトリアム:「自分は、どうすればよいのか」という自分への問いを行わず、熱中するものもない
第1段階(精神的打撃と麻痺状態)、第2段階(否認)、第3段階(パニック)など - 早期完了:「自分は、どうすればよいのか」という自分への問いを行わないままに何かに熱中する
第4段階(怒りと不当感)、第5段階(敵意とルサンチマン(恨み))、第6段階(罪の意識)、第7段階(空想形成・幻想)など - 同一性拡散:「自分は、どうすればよいのか」という自分への問いを行ったり、止めたりしており、熱中するものを持たない
第8段階(孤独感と抑うつ)、第9段階(精神的混乱とアパシー(無関心))、第10段階(あきらめ―受容)など
これら3つの不安定なアイデンティティの状態を経て、飼い主は、第11段階(新しい希望―ユーモアと笑いの再発見)に到着しました。
第11段階は、第12段階の前期と位置付けることができそうです。
ここで、飼い主は、別離したペットは、いつでも自分と共にいることを知り、自他への怒りが低減されました。
また、ペットとの楽しい記憶を進行形で追体験できる穏やかな精神状態になっています。これは、防衛機制の一種である退行といえます。
退行を自然に行えるようになったことで、飼い主は、日々のストレスを軽減するテクニック(ゆとり)を身につけたことになります。
ペットとの別れを悲しいだけのものにしないためにペットロスを正しく理解する
「ペットも家族の一員」と考える飼い主が増えました。それに伴い、ペットとお別れしたときに何かしらの肉体的・精神的不調を訴える人が増えています。ある保険会社の調査によると、「突然悲しくなり涙が止まらない」「疲労感、虚脱感、無気力、めまい」などのペットロスによる症状を1ヶ月以上も体験した飼い主は半数にも上ります。
何故このようにペットロスによる症状が現れるのか、どのように対処していけばよいのかを、正しい知識と理論から学び、ペットロスに対するセルフマネジメント能力を身につけてみませんか。
ペットロスケアマネージャー通信認定講座とは
いつか必ず訪れるペットとの別れをつらく悲しいだけの出来事にしないために、ペットロスに関する心理的基礎知識と理論を学び、飼い主心理の理解と悲しみから立ち直るためのセルフマネジメント能力を身につけます。
詳しくはこちら