ペットを飼う、手紙を書く

アパシーの苦しみを低減させるには、さまざまな方法がありますが、ここでは、2種類を提示します。

ひとつめは、アパシーを一定期間、凍結する方法です。
それは、新しい、しかも、若い生体と同居することです。それにより、その個体が健康な間、アパシーは、飼い主の無意識下で凍結したままの状態を維持するはずです。
しかし、新しい個体が老いや病気になり、あるいは、死に近づいた時、アパシーは、ふたたび目覚め、飼い主に無価値感を突きつけるかもしれません。

もうひとつは、アパシーと向き合い、第10段階に進むための方法です。
それは、「自分に価値がないと思う、もうひとりの自分」に向けて、手紙をしたためてみる、という方法です。これをロールレタリング(役割交換書簡法)といいます。
ただ、この時点の飼い主は、無価値感に支配されているので、ロールレタリングそのものに意義を感じられません。
そこで、心理カウンセリングの技術と知識を持つ第三者が介在し、飼い主のペースを尊重しながら、ロールレタリングを進めます。
これにより、飼い主は、自然に自己理解が深まり、ほぼ同時に自己を受容できるようになり、混乱状態の心の波が次第におさまる様子を体感できるはずです。

 

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ペットとの別れを悲しいだけのものにしないためにペットロスを正しく理解する

「ペットも家族の一員」と考える飼い主が増えました。それに伴い、ペットとお別れしたときに何かしらの肉体的・精神的不調を訴える人が増えています。ある保険会社の調査によると、「突然悲しくなり涙が止まらない」「疲労感、虚脱感、無気力、めまい」などのペットロスによる症状を1ヶ月以上も体験した飼い主は半数にも上ります。
何故このようにペットロスによる症状が現れるのか、どのように対処していけばよいのかを、正しい知識と理論から学び、ペットロスに対するセルフマネジメント能力を身につけてみませんか。

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