昨日27日(日)滋賀県大津市で、体長約80センチで茶色の肉食動物「サバンナオオトカゲ」が住宅から脱走し、警察が注意を呼び掛けているという報道がありました。
家の中ではケースに入れずに飼育していたそうで、日中に勝手口から脱走したとみられています。
このニュースを見て、2年前の5月、横浜市戸塚区のアパートから逃げ出した体長約3.5メートル、体重約13キロのアミメニシキヘビが1週間以上見つからなかったニュースを思い出しました。
こうした脱走の裏で、周辺に暮らす人たちは不安に感じていることでしょう。
今回はこうした日常のニュースから、ペットの脱走と、飼い主が配慮すべき点について、犬猫飼養アドバイザーがお話します。

サバンナオオトカゲという動物

サバンナオオトカゲはアフリカ大陸に生息する肉食の外来種。
毒性はなく、鶏肉や生卵などを食べ、昼行性の性質で、比較的安価なことから、ペットとして近年人気が高まっているそうです。
おとなしい性格で自分から人を襲うことは基本的には無いとのことですが、ひとたび攻撃に転じた場合、その噛む力は強烈で、一般的な成人男性の握力が約50kg程度であるのに対し、サバンナオオトカゲの噛む力はそれを上回ると言われています。

ちなみに2年前に脱走したアミメニシキヘビは、主に東南アジアの高温多湿な熱帯雨林が生息地で、世界最大級のヘビです。
寒さに弱く、夜行性で、爬虫類、鳥類、哺乳類等を食べます。
過去に、海外ではクマや人を襲った例もあり、日本国内でもペットショップで飼育管理されていたアミメニシキヘビによる死亡事故が発生しています。
また、この品種は人に危害を及ぼす可能性がある動物として、「特定動物」に指定されており、国内での飼育には地方自治体の許可が必要となります。
さらには、2020年6月からは愛玩目的の新規の飼養許可申請は行われていません。

脱走を招く油断と無事に戻ってくるまでの後悔

今回、ケースに入れず、また勝手口が開いていたことで逃げられたとのこと。
このサバンナオオトカゲは先月7月にも窓から脱走して、そのときは近所の庭ですぐに発見されたそうですが、飼い主さんも短期間でまたしても脱走されるとは想像していなかったのでしょうか。

こうした油断は、犬や猫の飼い主にも言えることです。
外が苦手だから逃げないだろう、うちの子に限って逃げるわけがない、逃げてもすぐに戻ってくるだろう、という根拠のない信用は、容易に犬や猫を逃がすことに繋がります。
〇月〇日〇時ごろ逃げ出しました、というチラシを見るたびに、飼い主の後悔と逃げ出してしまった犬や猫の不安を思うと居たたまれなくなります。
誰かに保護されていればまだいいですが、途中で事故にあったり、他の動物に攻撃されてしまったりしてないかと、無事に戻ってくるまで心配は尽きません。

大切なペットが加害動物になる可能性も忘れない

さらには、問題はその子が見舞われる不幸だけにとどまらず、万が一他の人を咬んでしまったら、他の人のペットを攻撃してしまったら、逃げ出した子が加害動物になってしまう可能性もあるのです。
いつもはおとなしい子であっても、飼い主から離れ不安な状態では、パニックを起こし攻撃行動を取る可能性は捨てきれません。
犬や猫などのペットを逃がして後悔する飼い主には耳の痛い話ですが、全ては飼い主の油断が引き起こすことです。
まずは逃がさないようにできる限りのことをすること。
そして、もし逃げ出してしまった場合には、家族であるペットを心配する心のどこかに、もし加害動物になってしまったら、という周辺地域の人たちへの配慮を忘れないようにしましょう。

犬猫が脱走した場合の捜索範囲

ちなみに猫の場合、逃走後1週間は自宅から半径100~500m以内にいる可能性が大きいそうです。
1週間たっても見つからない時には、探す範囲を自宅から半径2~3kmまで拡大してみると良いといわれています。
物陰や木の上などを重点的に探すようにしましょう。

犬の場合、1日の移動距離は小型犬で300m~1km、中・大型犬で1km~5kmと言われています。
潜伏型の猫と違い、昼行性で街中をうろつき目撃されることも多いため、いかに早く周辺へ愛犬の逃走を周知できるかによっても早く保護できるかどうかが変わってきます。
また、中・大型犬の場合、人への脅威から、警察などが出動する可能性もあります。
どんなに性格が穏やかな犬であっても、他人から見れば大型犬は体が大きいというだけで脅威だということを自覚しましょう。

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