猛暑日が毎日のように続く一方、迷走する台風に翻弄されている日本列島。
こうも暑いと人も辛いせいか、さすがに真昼に犬の散歩をしている人を見かけることはないですが、気温が上昇している午前中や、まだ気温の高い夕方に犬を連れている人を見かけます。
また、最近の異常ともいえる暑さの中、数年前から言われている早朝散歩や夜間散歩も難しくなっているのではないか?と考える日々です。

飼い主の感じている暑さと犬が感じる暑さには差があることを知ろう

聞いたことがある方もいるとは思いますが、より地面に近い場所にいるペットや子どもは、暑さの影響を受けやすいと言われています。
地上から50cmまでの気温は、例えば身長150cmの人が感じる暑さに2℃ほどプラスされるそうです。
例えば気温35℃であれば、単純に計算して足元の気温は37℃前後となるわけです。
今から散歩に行こうかな、と思った時には、外気温が何度くらいなのかを確認した上で、そこにプラス2℃、してみてください。

獣医師が考える、犬の散歩を控えた方が良い気温は?

とある会社の調べでは、多くの獣医師が「気温が30℃以上」の場合は、犬の散歩を控えるべきと答えたそうです。
中には、「気温が27℃以上」で控えるべきという回答もあったそうですので、気温が30℃未満でもあっても安心はできない、ということになりそうです。
なぜそのような判断がされるのでしょうか。
それは、犬が人と違い体表から汗で体温調整ができない動物だからです。
汗をかかない、ということは、人のように汗が乾く際の気化熱による体温調整ができないということになります。
風が吹いて涼しいのは汗が干上がるときの気化熱のおかげです。
風が吹いて涼しいから多少暑くても散歩にいけるだろう、という考えは厳禁です。

最低気温も気にかけましょう

また、最高気温に気を配ることも重要ですが、忘れてはいけないのは最低気温です。
最低気温が25℃を超える場合には、やはり熱中症の危険性が高まるということで、散歩は控えた方が良いと考える獣医師は多いようです。
ということは、朝の気温、夜の気温が25℃を下回らないような予報の時には、いくら朝早い時間帯、夜遅い時間帯とはいえ散歩は厳しい、ということになってしまいます。

もちろん、日本は縦に長い列島です。
北と南ではまるきり状況が違うでしょう。
ご自身の住んでいる地域の、さらにはその時の気温(そこに犬の体感温度プラス2℃)で判断する癖をつけましょう。

熱中症以外の危険

さらには、熱中症に気をつけることも大切ですが、足裏のやけどなどにも気をつける必要があります。
熱せられたアスファルトは想像以上に熱いものです。
人は靴などを履いて歩くので気にならないかも知れませんが、ラバーシューズなどを装着しない限り、犬たちは素足で歩いているわけですから、火傷の危険性が高まるわけです。
アスファルトなどを歩かせる場合には必ず手で触って熱さを確認してからにしましょう。
そして、散歩から帰ってきたら、足裏のチェックとともに、足裏をケアするためのクリームやジェルなどを利用するといいかも知れません。

その散歩が本当に必要かどうかの判断

散歩は犬にとっては運動の一環であり、ストレス発散の場でもあり、飼い主とコミュニケーションが取れる時間であり、排泄の時間でもあり、とにかく非常に大切なことであることは事実です。
しかし、人ですら昼夜通して熱中症の危険がある中で、暑さに弱い犬をわざわざ散歩に連れ出すことが本当に必要なのでしょうか。
室内で排泄できるようにトレーニングすること、室内という暑さに対策が取れるものの、限りあるスペースの中で、楽しめる遊びや運動を考えることも重要になってきているのではないでしょうか。

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