去年は新型コロナウィルス感染症の流行で夏のレジャーを控えた方も、もしかしたら今年こそはどこかにペットたちとお出かけしたい!と考えている飼い主の方もいらっしゃるのでは?
感染対策に気を配りながら自然を楽しむのもまた、いい気分転換&思い出作りになると思います。
しかし、自然の中には思いもよらない落とし穴があるもの。
今回は山や川に行った際に特に注意したい点について愛玩動物保健衛生士とみていきましょう。

ペットを連れて山や川に行くことを検討している飼い主さんは

(1)ノミ・ダニ・蚊(フィラリア)予防を万全にしましょう!

とくにダニは、様々な病気を媒介し得る怖い生き物です。
中でも有名なのは、日本紅斑熱と重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ではないでしょうか。
日本紅斑熱は、病原体(リケッチア)を保有するダニに咬まれることにより感染するダニ媒介感染症です。 近年、国内で年間200件を超える発生報告があり、死亡者も報告されています。
今年に入ってからも、すでに100件近い感染報告が上がっています。

さらに気をつけなければいけないのは、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)です。
ウィルスを保有するマダニに咬まれたり、マダニに咬まれてSFTSを発症したペットに咬まれたことによる発症(その後咬まれた方は死亡)例や、治療に当たった獣医師や動物看護師が感染した例も報告されています。

どちらも人獣共通感染症(動物由来感染症)として知られている感染症です。
ペットのみならず、飼い主さんも虫除けには十分注意しましょう。

(2)レプトスピラ症の予防もしっかりと!

レプトスピラ症というのは、人獣共通感染症の一つで、レプトスピラ菌によって起きるものです。
レプトスピラ菌は、齧歯類をメインにした哺乳動物の多くの腎臓に住み着いて、尿と一緒に排出されます。
人は、直接この尿に触ったり、この尿に汚染されている土や水に触ったりすることによって感染します。

自然界においてレプトスピラ菌と共生している宿主は、野生動物のネズミ類の齧歯類などですが、レプトスピラ菌は、ほとんどの哺乳動物に感染すると想定されており、多くの哺乳動物が感染した後に保菌動物になって、尿と一緒に排出します。
また、レプトスピラ症が洪水の後に発生することは以前から海外で報告されていましたが、日本国内においても愛媛県と宮城県でそれぞれ2004年と2005年に、レプトスピラ症が台風の洪水の後に発生しました。
最近は、川でのレジャーが原因と思われる報告例も上がっています。

このレプトスピラ症は犬にも感染します。
人でも死亡例が報告されていますが、犬の場合、感染すると肝臓や腎臓に重度な障害を起こして死に至ることも多い恐ろしい病気です。

とはいえ、このレプトスピラ症、ワクチンで予防することが可能です。
特に西日本で犬を飼われている飼い主さんは、混合ワクチンにこのレプトスピラ症予防のワクチンが含まれていることをご存知なのではないでしょうか?
逆に、都市部やレプトスピラ症の発症があまり見られていない地域では、混合ワクチンに含まれていないこともあります。
レジャーで山や川に犬を連れて行くことが多い飼い主さんは、獣医師にきちんと相談したうえで予防ワクチンの接種を検討したほうが良いかもしれません。

飼い主さんの予防策としては、怪我をした状態で山の土に触れない、もし山で怪我をしたらしっかりと患部を洗い流したうえで、必ず医療機関を受診しましょう。
そしてなにより、川の水などむやみに飲まない、ということも覚えておいた方が良いかも知れません。

筆者は北東北出身なので、川や沢の水などをそのまま飲むことはエキノコックスの危険性が万が一でもあるため考えられないことなのですが、きれいな川や沢の水=美味しいというイメージがあるせいか、気軽に飲水してしまう方もいらっしゃるようです。
今一度、自然の中には目に見えないたくさんのものたちが潜んでいることを認識し、避けられる危険は避けながら自然を楽しむようにしましょう。

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