台風13号は今日8日午後にも東海から関東に接近し、その後、上陸するおそれがあります。
専門家によると、台風の強さと雨量は必ずしも一致せず、移動速度が遅くなるほど総雨量は多くなるため、広い範囲で長時間降り続く大雨に注意するよう呼びかけています。
ところによっては線状降水帯が発生するおそれもあり、災害の危険度が急激に高まるおそれがあります。

台風に限らず、「数十年に1度の大雨」と言われる特別警報級の豪雨がここ数年、7月から連続して起きています。
豪雨は「過去に降った災害を伴う大雨」を意味します。
発生頻度の高まりからか、皆さん個人個人がきちんと災害への備えを考えるようになってきていますが、一口に防災といっても、災害の性質によって状況は異なってきます。
災害の性質に合った防災を考えるため、ペット災害危機管理士(R)より、豪雨災害を念頭にしたお話をしていきます。

ある程度予測が立てられる災害

豪雨災害は、地震や噴火といった災害に比べ、ある程度は予測が立てられます。
天気予報や気象庁からの警戒情報を確認することで、前もって避難行動をとることができる災害でもあるのです。
もちろん、発表が夜中や朝方では意味がない!と仰る方もいるでしょう。
確かに、記録的短時間大雨情報といった緊急性の高い情報の場合はその発表が遅い場合もありますし、過去、警報発表が間に合わずに被害にあわれた事例はいくらでもあります。
だからこそ、「うちの地域は今まで被害にあったことなんて一度もない」、という固定概念は捨て去り、大雨情報が発表された時点でいつでも避難できる態勢をつくり、空振りに終わるかもしれませんが「念のために避難する」精神が必要なのです。

暗くなる前に避難しましょう

特に、ペットを飼っている場合、避難に時間がかかります。他の人が避難を始めてからでは遅い可能性もあるのです。
まずは自分が率先して避難する!くらいの意気込みで構いません。自分の命はもちろん、愛犬愛猫の命は飼い主の皆様にかかっているのです。

もちろんその時点で警戒レベル5段階のうちレベル3「高齢者等避難」が発表されているなら、迷うことなく避難を開始しましょう。
この情報は、避難に準備がかかるであろう高齢者や体に障がいや病気を抱えている人たちがいち早く避難を開始するために定められた避難段階です。
ペットを飼っている人たちだって避難に時間がかかりますから、この段階での避難を検討してください。

そして、足元が明るい時間には避難を開始しましょう。暗くなってからでは避難がさらに困難になります。
飼い主が不安に思うとペットはより不安になって落ち着かなくなります。
そして落ち着かないペットを見ると、飼い主の不安が増す、という負のスパイラルに陥ってしまい、それが致命的な判断ミスにつながる可能性もあるからです。

早めの避難でペットも安心

そして、早めに避難することのメリットがもう一つ。
それは、避難先についてから、ペットを安心させるための時間がより多く取れる、というところにあります。
あわただしく避難を開始すると、ガスの元栓は閉めたか、鍵を閉め忘れてないか、など不安は尽きません。早めに避難準備に取り掛かり、落ち着いて避難できれば、そのような不安は解決できます。
そうすることで、心にゆとりが生まれ、慣れない場所に連れてこられた愛犬愛猫としっかり向き合う時間をとることが出来るのです。

在宅避難をするかしないか

2018年、西日本で頻発した豪雨災害を受けて、東京都内でもとくに低地に位置する墨田区、江東区、足立区、葛飾区、江戸川区の5区について、大規模水害広域避難計画というものを発表するに至りました。
最悪の場合、深いところで10mの浸水、水が完全に引くまでに2週間以上かかると試算されています。
そうなると、地震等では可能だった在宅避難は不可能となります。
2週間、電気もガスも水道もない、それ以外でも、食料の買い出しもできない、ゴミも排泄物も出せない生活ができるでしょうか。

このように、災害の性質によっては在宅避難が不利に働くこともあります。
これらの情報はその地区のハザードマップとして公開されていますし、回覧板等でも回ってきているはず。
ご自身の生活する地域ではどのようなハザードマップがあるのか、そして、勤め先の地域のハザードマップがどのようになっているのか、今一度水害を視野に入れて見てみましょう。

防災は1つじゃない

何度も言うように、災害の性質によってはより安全な時点での避難が可能です。
それを、周りはまだ避難していないから、この地域ではそんな経験一度もないから、避難して何もなかったら恥ずかしい、といったことで被災してしまっては意味がありません。

とくに水害は「気が付いた時には逃げられなかった」という証言が多い災害。
「雨の降り方が尋常ではなく恐ろしかった」「様子を見ているうちに逃げられなくなった」など、”あの時に避難していれば”という事例を本当によく聞きます。

私たちには守るべきペットたちがいます。
いち早く避難することも防災の1つと捉え、水による災害への警戒を常に頭の隅に置いて、いざというときに備えましょう。

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