秋も深まり、過ごしやすい気候によって食欲に拍車がかかりますね。
食欲の秋の楽しみを、愛犬と分かち合いませんか。身近に手に入る食材で、愛犬の食事にひと手間加えて楽しむことができます。
今回は「レバー」について見ていきましょう。
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食材から見る栄養管理術~レバー編~
レバーとは、肝臓のこと。一般的に食用に用いられるレバーは、牛・豚・鶏のものが主流で、鉄分とビタミンAが特に豊富に含まれている食材です。
牛や豚、鶏のレバーにはそれぞれ栄養学的な特徴があり、ビタミンAが一番多く含まれているのは鶏レバーです。
一方、豚レバーには鉄分や蛋白質がより多く含まれているため、疲労回復に適しています。
牛レバーは最も嗜好性が高いと言われています。
(100gあたり) | エネルギー (kcal) |
蛋白質 (g) |
脂肪 (g) |
牛・肝臓・生 | 132 | 19.6 | 3.7 |
豚・肝臓・生 | 128 | 20.4 | 3.4 |
鶏・肝臓・生 | 111 | 18.9 | 3.1 |
(100gあたり) | 炭水化物 (g) |
ビタミンA(µg) | 鉄(mg) |
牛・肝臓・生 | 3.7 | 1100 | 4.0 |
豚・肝臓・生 | 2.5 | 13000 | 13.0 |
鶏・肝臓・生 | 0.6 | 14000 | 9.0 |
「日本人の食事摂取基準(2015年版)」より
レバーは高蛋白低脂肪な食材であり、基本的には犬に与えても良い食材です。
ただし、ビタミンAが非常に豊富に含まれているため、ビタミンA過剰症に注意が必要です。
ビタミンB群やビタミンCなどは水溶性ビタミンのため、過剰に摂取された分は尿として排出されますが、脂溶性ビタミンであるビタミンAは過剰分が体内の脂肪中に蓄積されます。そのため、摂取量に気を付けましょう。
ビタミンAは、一般的な犬で一日当たり150µgの摂取が望ましいとされています。これは、鶏レバーに換算すると1g程度と非常に微量になります。
もちろん、一日だけ過剰に摂取する分には体に変調は起こりませんが、毎日の摂取は避けましょう。1週間に1回程度、ご褒美としてフードに少量トッピングするくらいで十分かと思います。
ただし、次の場合には注意が必要です。
- 腎臓疾患を抱えている場合
- 心臓疾患を抱えている場合
レバーには、上記栄養素の他にリンが多く含まれます。過剰なリンは腎臓から排出されますが、腎臓に疾患がある場合、排出されず体内に蓄積されます。血中リン濃度の上昇は、骨や歯からのカルシウムの誘導を引き起こしますので、注意が必要です。リンの高値によって引き起こされたカルシウムの高値は、心不全を引き起こすことがあります。
詳細は「犬の管理栄養士アドバンステキスト」に記載しておりますので、ご参照下さい。
レバーは香りが強く、嗜好性が高い食材です。
トッピングやおやつとして用いる際は、上記の疾病に注意して、与えすぎに注意して下さいね。
犬の成長ステージや抱えている病気などによって、摂取すべき栄養は様々です。
しっかりとした知識をもって、彩りをもった愛犬との生活をお過ごしください。
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