今年も残すところあと3か月となってまいりました。
夏の天候不順や台風襲来などで、各地で農作物の被害が報告されていますが、実りの秋です。
おいしいたべものがたくさん味わえる秋です!
食いしん坊みたいなことを言っていますが、今回は、人も犬も大好きな、甘い味が魅力のサツマイモについて犬の管理栄養士より紹介したいと思います。

サツマイモにはビタミンやミネラルが豊富に含まれている

サツマイモには、各種ビタミンやミネラル類が多く含まれています。
本来は熱に弱いビタミンですが、サツマイモに含まれているでんぷんの粒で覆われているため、加熱によるビタミンの損失が少ないのが特徴です。

また、サツマイモに多く含まれているカリウムは、体内の水分量を調整して、ナトリウム(塩分)を尿と一緒に排出してくれます。
くわえて、ナトリウムとペアになって免疫機能を健全に保ち、筋肉の機能を調整する役割もはたしています。

しかしながら、腎臓の機能が落ちている犬ではカリウムが体に溜まりやすくなり、低血圧や不整脈などの心臓疾患の兆候が見られることがあります。
そのため、腎臓病や心臓病の犬は注意が必要となります。

また、一部の利尿剤ではカリウムを体内に残す作用がある為、これらの薬を飲んでいる時にサツマイモを食べると、かえってカリウムが過剰となり、高カリウム血症になる可能性も示唆されています。

これらの病気がある犬に、食欲を促す目的でさつまいもを取り入れるのであれば、与えすぎないようにしましょう。

そして、サツマイモといえば食物繊維による便通改善が期待される部分も多いでしょう。
実は、この食物繊維に加え、ヤラピンという成分が便秘解消に関わっているようです。
ヤラピンは、芋類ではさつまいもにしか含まれていない成分で、デトックス効果があると言われています。
緩下剤としての効果があり、食物繊維との相乗効果で便秘解消に大きな改善が期待できます。

与える際の注意点

さつまいもは甘味が強く、犬が好むことが多い食材です。
カロリーはやや高めですが、食欲の落ちている犬にもおすすめで、おやつやごはんのトッピングとして与えている方も多いことでしょう。

最後にもう1つ、気をつけた方が良いことをお伝えしておきますね。
サツマイモには、シュウ酸が含まれています。(文科省食品成分データより)
その量は、シュウ酸が最も多く含まれている野菜、ほうれん草の約1/7程度ではありますが、膀胱結石の一種であるシュウ酸カルシウム結晶を作りやすい犬に積極的に食べさせるのは避けておいたほうがいいでしょう。

与える際には、生食を避け、お腹を壊しやすい子や、子犬、シニア犬では蒸したり焼いたりしたサツマイモの皮を取り除いてから、細かくして与えると喉に詰まるなどの危険性を排除しつつ、消化もしやすくなります。

飼っている犬の状況に合わせて適宜サツマイモを楽しんでみてくださいね。

犬の適正カロリーと栄養バランス、与えて良い食材を知り、愛犬と手作りごはんを楽しむには?
犬の管理栄養士通信認定講座で、犬の内面から健康を維持できる食事についての知識を学べます。

犬の年齢・体調・持病などに対応した栄養を学び、犬の健康を食事から支えるには?
犬の管理栄養士アドバンス通信認定講座で、犬のライフステージや病気に合わせた食事の知識を学び、日々の栄養管理や食事療法を実践できます。

▼こちらもチェック!
犬の管理栄養士アドバンス監修獣医師による『食材から見る栄養管理術~さつまいも編~』

犬の管理栄養士が解説!愛犬と楽しめる秋の味覚
この記事を読む

 

 

メルマガ★SAE公認動物講師からのプチ講座・セミナー情報、獣医師からの健康管理注意点など飼い主様に役立つ情報配信中★
メルマガサンプルはこちら
(アドレスだけで登録できますので是非お気軽に)