旬な食材を使って、愛犬の食事にひと手間加えて楽しんでみませんか。
りんごは年間を通して流通していますが、品種によってそれぞれ旬があり、おおむね秋から冬(10月~12月)が旬にあたります。
今回は、りんごを食事に取り入れる際の注意点についてご説明します。

犬の管理栄養士アドバンス講座監修獣医師 岩佐保宏先生

犬の管理栄養士アドバンス講座監修獣医師 岩佐保宏先生

▼岩佐先生のプロフィールと監修講座はこちらでご覧いただけます
SAEペットの資格講座 監修する獣医師軍団

食材から見る栄養管理術~りんご編~

りんごはバラ科リンゴ属の植物で、亜寒帯や温帯の地域を中心に世界中で栽培されています。
りんごは水分が多く、重量の85%程度を占めます。また炭水化物も多く含まれます。

(100gあたり) エネルギー
(kcal)
蛋白質
(g)
脂肪
(g)
炭水化物
(g)
りんご・皮むき・生 57 0.1 0.2 15.5
りんご・皮つき・生 61 0.2 0.3 16.2

「日本人の食事摂取基準(2015年版)」より

中でも特筆すべきは、ポリフェノールやカリウムが多く含まれる点です。

ポリフェノールは抗酸化作用があり、体内で生じた活性酸素を除去する働きがあります。人間では、動脈硬化を防ぐ作用があることが分かっています。また、近年、脂肪吸収の抑制効果、つまりはダイエット効果も認められています。

一方のカリウムは、体内のナトリウムを排出する作用があります。ナトリウムを排出することで、体内の水分量を適正に保っています。

また、可溶性の食物繊維であるペクチンが豊富に含まれており、大腸内で善玉菌を増やす環境を整えます。

りんごは、主食として基本的には犬に与えても良い食材です。
ただし、次の場合には注意が必要です。

  1. 腎臓疾患を抱えている場合
  2. 心臓疾患を抱えている場合
  3. アレルギー体質の場合

豊富に含まれるカリウムは、腎臓や心臓に疾患を抱えている場合は要注意です。
腎機能が低下すると、腎臓から対外へ排出されるカリウムの量が低下し、高カリウム血症となります。
高カリウム血症は不整脈を引き起こすことが分かっているため、注意して下さい。

また、りんごを含むバラ科の植物にアレルギーを持つ犬が報告されています。
人間では、バラ科の植物はアレルギーを引き起こしやすい食べ物として認識されていますので、注意しましょう。
詳細は、「管理栄養士アドバンス」に記載しておりますので、ご参照下さい。

りんごに多く含まれるポリフェノールは、特に皮と実の間に存在しています。したがって、皮をむかずに細かくし、与えると良いでしょう。大きなままだと消化吸収できず、そのまま便として出てきてしまいます。
また、熱には強いですが、水に溶けやすい性質を持つので、加熱する場合には、出てきた水分も利用すると良いです。

なお、りんごの種には猛毒のアミグダリンが含まれます。嘔吐やけいれんなどの症状を示すことがあるので、種は絶対に与えないようにしましょう。
すりおろしりんごは摂取しやすく、また水分補給にもなるので老犬や体調不良の犬にお勧めです。

 

犬の成長ステージや抱えている病気などによって、摂取すべき栄養は様々です。
しっかりとした知識をもって、彩りをもった愛犬との生活をお過ごしください。

 

こんなことが学べるのはこの講座!

犬の年齢・体調・持病などに対応した栄養を学び、犬の健康を食事から支えるには?
犬の管理栄養士アドバンス通信認定講座で、犬のライフステージや病気に合わせた食事の知識を学び、日々の栄養管理や食事療法を実践できます。

▶講座を詳しく見る  ▶無料資料請求

▶ 犬の栄養学・食事について学べる資格講座の一覧はこちら

[関連記事]こちらもチェック!

本日10月13日は「さつまいもの日」ということをご存知でしたか?埼玉県川越市の「川越いも友の会」が1987年に制定しました。 10月はさつまいもの旬であり、13...

: #

続きを読む

犬の管理栄養士アドバンス講座監修獣医師 岩佐保宏先生

梅雨明けと前後して、連日猛暑日を観測するなど、ぐんぐん夏本番に近づいていますね。 暑さが厳しくなるにつれ、食欲が落ちがちになり夏バテの心配が出てきます。 愛犬も...

: #

続きを読む

犬の管理栄養士アドバンス講座監修獣医師 岩佐保宏先生

1月20日は二十四節気の「大寒」です。冬の最後を締めくくる約半月のことで、毎年1月20日頃から立春までを指します。 この時期に旬を迎える食べ物の一つに「卵」があ...

: #

続きを読む

\ためになる情報が満載/
SAEのSNSでも、お得なキャンペーンやセミナー、生活に役立つワンポイントアドバイスなど様々な情報を発信しています。ぜひ、フォローしてくださいね!