本格的な「食欲の秋」「実りの秋」を前に、気になるのが食べ過ぎによる肥満ですが、肥満になるその前のペットの適正な体型や食事についてに触れてみたいと思います。
犬や猫を健康に育てるためには、人と同じように、痩せすぎ・太りすぎは、よくありません。
大きく育ってほしくないから、と成長のために多くのカロリーを必要とする子犬や子猫に与える量を制限したり、喜ぶからといってフードを与えすぎたり、おやつは「別腹」などと思ってはいませんか?

1.必要な栄養素の違い

私たち人間と同じように、犬や猫は、脂肪たんぱく質炭水化物、ミネラル、ビタミンを食べ物から摂り入れなければ健康に生きることができません。
しかし、人間と犬と猫では、必要な栄養素の割合に大きな違いがあります。
脂肪たんぱく質炭水化物を「三大栄養素」と呼びます。

犬は雑食性の動物なので、必要な栄養素は人と似ていますが、たんぱく質などは人よりも多く必要です。

猫はもともと肉食性の強い動物なので、犬に比べてたんぱく質や脂肪を多く含むフードを与えることが必要です。
また、人や犬と違い体内でタウリンを作れないためタウリンが十分に含まれたフードを与えないと、眼の障害や心臓疾患を引き起こすこともあります。

2.適切な食事量はそれぞれ違う

人だって、大人と子どもの食事量が違うように、動物たちも違います。
カロリーの必要量はライフステージや体重によって異なります。
多くの市販のフードには、カロリー表示とともに与える量の目安が示されています。
しかし、大食いしても太らない人もいれば、すぐに体重増加に繋がってしまう人もいるように、犬や猫も個体や体質によって必要なカロリー量が変わってきます。

子犬や子猫は、生後約1年で大人とほぼ同じ体です。
この間は急激に成長するため、多くのエネルギーが必要になります。
1回に食べられる量は限られているので、高エネルギーで消化のよいフードを1日3〜4回に分けて与えましょう。

高齢になると、基礎代謝量が低下して太りやすくなったり、消化機能が低下したりします。
腎臓や心臓など内臓の働きも落ちてきますので、塩分やミネラルの取りすぎにも注意が必要です。

市販のペットフードにはカロリーや与える目安が表示されています。
ですが、それだけに頼らず、散歩等の運動量、体調などを良く観察して与える量を調節してください。

3.適正な体型とは?

人がBMIで肥満度を確認するように、犬や猫の体型から肥満度を判断する基準として、ボディコンディションスコア(BCS)という評価方法があります。
5段階で評価し、BCS3が理想的となります。犬と猫それぞれのチェック項目は以下のとおりです。

▼犬のボディコンディションスコアと体型

▼猫のボディコンディションスコアと体型

4.肥満を防ぐ心がけ

肥満を防ぐには、おやつやごほうびはできるだけ控える、適度な運動をさせるなどの注意が必要です。
おやつやごほうびは、動物たちとコミュニケーションを取るひとつの手段。
けれど、カロリー表示を確かめて、それらをあげたらその分だけフードを減らすなどして、1日の摂取量のコントロールを心がけましょう。

本格的なダイエットに挑戦するときは、獣医師の指導の下で行う必要があります。
軽〜中度の肥満の場合には、与えるフードの量を通常の30〜40%減らして体重の変化をチェックします。
1週間で体重が1〜3%減るくらいの割合で徐々に体重を減らしていくのが適当です。この際、空腹感を抑えるために、1日量を3〜4回に分けて与えます。
40%以下まで一気にフードの量を減らすような急激なダイエットは、体に悪い影響を与える危険があります。これは人だって同じことですよね。

 

人も動物も食事無しでは生きていけません。
1食1食が身体を作る大切な栄養となっており、食事は毎日の生活と健康な身体に密接に関わってきます。
だから大切に考えて、毎日を健やかに過ごせるようにしましょう。

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