厚生労働省は、10月27日〜11月2日のインフルエンザ発生状況を、医療機関からの報告数は5万7424 人だと発表しました。
昨冬にも猛威を振るった高病原性鳥インフルエンザは、沖縄や関東南部で多い傾向でしたが、11月に入ってからの先週は特に北日本の増加率が高くなっています。
2021年2月には世界で初めて、ロシアで高病原性の鳥インフルエンザウイルス「H5N8型」のトリからヒトへの感染確認の発表がありました。
今回は愛玩動物保健衛生士より、時事ニュースから変異するウィルスの危険性を深堀りして解説します。
そもそも「鳥インフルエンザ」とは
鳥インフルエンザの原因となる鳥インフルエンザウィルスは、感染対象となる動物(宿主)が異なるため、一般的には鳥インフルエンザウィルスが人に直接感染する能力は低く、また感染しても人から人への伝染は起こりにくいと考えられています。
ではなぜ鳥インフルエンザを警戒するの?
水鳥をはじめとした水きん類から分離されるウィルスは低病原性であることがほとんど です。
しかし、この水きん類に由来するウィルスが、豚などの家畜に侵入し、感染を繰り返している間に変異が生じ、その結果、病原性が高まったウイルス(高病原性鳥インフルエンザウィルス)が出現すると考えられています。
そもそも、豚は鳥や人のインフルエンザウィルスの両方に感染するため、豚が交雑宿主となって遺伝子再集合により新たなウィルスを排出する可能性があると言われてきました。
現在世界的には、豚の間で様々な遺伝的背景を持つウィルスが循環しており, これまでにも散発的に豚から人への感染例が確認されています。
変異しやすいH5N1型鳥インフルエンザ
鳥インフルエンザA(H5N1)感染症は、野鳥の間で流行しているインフルエンザA(H5N1)ウィルスによる人への感染症の中で、もっとも警戒されてきた鳥インフルエンザです。
1997年香港で最初に人への感染事例が報告され、18人発症、うち6人死亡しています。
2004年以降、ベトナム、インドネシア、エジプト、カンボジア等で人への感染例の報告が続き、2015年にエジプトで年間136人という最大規模の発生がありましたが、その後は報告が減り、2018年以降は人への感染例の報告は殆どありません。
H5N1型鳥インフルエンザの人での致死率は50%を超える
しかし、その致死率は、毎年流行するインフルエンザの致死率が0.1%未満であるのに対して、H5N1型鳥インフルエンザウィルス感染による致死率は50%を超えていました。
現時点で本ウィルスの人への感染力は弱く、人から人への持続的な感染は確認されていないものの、このウィルスは変異しやすいため、人への効率良い感染力を獲得する可能性が懸念されています。
コロナウィルスにも、インフルエンザウィルスにも要注意
コロナウィルスの致死率は、80歳以上では15%くらいと考えられており、全年齢で平均してみても0.1%~4%程度と考えられています。
その点は季節性インフルエンザの致死率と大きな差は見られません。
高病原性鳥インフルエンザ、特に変異しやすいH5N1型は、近いうちには変異しないとは言い切れません。
新たな感染症へのアンテナを高く張ることで情報を更新し、正しく恐れ、正しく予防していきましょう。

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