9月9日は、「重陽の節句」と呼ばれる、「桃の節句」や「端午の節句」と同じ五節句の1つです。
最近ではあまりなじみのない節句かもしれませんが、我が家ではこの日に菊酒をいただいたり菊を使った料理を楽しんだりしています。
なぜ菊なのかというと、古来から重陽の節句には菊を用いており、別名「菊の節句」とも呼ばれて無病息災や長寿を願うのだそうです。
時期的にも菊の花がおいしい時期。
とはいえ、お刺身などの飾りで出てくるような菊ではなく、食用菊なのでお間違いなく!
茹でるとシャキシャキとした食感と菊のほのかな香りが楽しめる美味しい食材です。

とはいえ、犬たちに食べさせられるかというと、甘味もなくあまりおいしくは食べてもらえないでしょう。
そこで、重陽の節句の行事食としても食べられている「栗」を愛犬と一緒に楽しんでみませんか?
その方法を犬の管理栄養士からご紹介していきます。

犬に栗を食べさせてもいいの?

そもそも加熱した栗は、犬も安全に食べることができる食材です。
ただし、生の栗や渋皮がついた状態では消化しづらいので、しっかりと加熱すること!
スーパーなどで販売されている加熱済みの甘栗は、砂糖や保存料が含まれていないものであれば与えても大丈夫でしょう。

栄養学的な「栗」の魅力

では、犬にとっての栗の魅力をみていきましょう。
まず、栗に含まれているビタミン類が魅力です。
栗に含まれているビタミンは、A、B1、C、Eが多くなっています。
一般的にビタミンCは加熱するとなくなってしまうと言われていますが、栗に豊富に含まれているデンプンがビタミンCを守る役割を果たすため、加熱してもビタミンCの減少率が低いという特徴があり、効率よくビタミンCを摂取できます。
また、「ビタミンE」には、抗酸化作用があり、老化の防止が期待できるでしょう。

新陳代謝に欠かせない栄養素であるミネラルの1つである「亜鉛」。
栗にはこの「亜鉛」も含まれているのですが、この亜鉛はビタミンCと同時に摂取すると吸収されやすい特徴を持っており、栗は亜鉛の摂取にむいている食品ともいえます。

さらには、犬は甘味を好むことが多いのですが、栗のほのかな甘みが食欲促進に繋がる場合もあります。
夏バテ気味で食欲が落ちている場合には、フードのトッピングとして細かく刻んで与えてもいいかも知れません。

手作りおやつとしてモンブランもいいかも知れませんが、砂糖などは不使用で作ってみましょう。

栗をあげる際の注意点

次に、栗を与える際の注意点を確認しましょう!
まず栗の形状的に、そのまま与えると喉に詰まらせる可能性がありますので、必ず細かく刻んで与えるようにしてください。
中型犬や大型犬の場合であっても、万が一、ということがありますから、半分に割って与えることをお勧めします。

与える量ですが、だいたい体重4kg未満の子で10g程度、栗1個分とも言われています。
刻むと小さじ1杯程度でしょうか。
あとはこの10gと体重を目安に与えてください。

ただし、どんな子でも最初は少量からがいいでしょう。
甘いものを好むので好きな子は余計に欲しがると思いますが、与えすぎは肥満の元!
あくまでもトッピングとして与えるようにしましょう。

また、アレルギー体質の子の場合は、必ず獣医師に確認してから与えるようにしましょう。
もちろん、アレルギー体質ではない子でも、与えた後に下痢が見られたり、体をかゆがるような場合にはすぐに与えるのをやめ、診察してもらうようにしましょう。

 

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