いよいよ梅雨も明け、猛暑の日々が続くようになりましたが、皆様やおうちの愛犬愛猫たちはいかがお過ごしでしょうか?
電気代が値上げされ、冷房などの使用が躊躇われるのが正直なところですが、暑さで体調を崩してしまっては元も子もありません。
エアコンだけではなく扇風機や冷却グッズを使い、ご自身と大切な家族の命を守る工夫を凝らして夏を乗り切りたいですね。

さて、暑さが増すと食品の傷むスピードも早くなります。
筆者も前日の残り物を食べるときは「まだ食べられるかな…?」と慎重になりがちです。
それは勿論ペットたちのごはんも同じで、気温が高い状態が昼夜続く夏場では、ペットたちのごはんを適切に取り扱わないと食中毒の原因になります。

食中毒は病原体が繁殖した食べ物を食べてしまう、または食べ物に含まれた病原体が腸管で繁殖することで引き起こされます。
症状は下痢や嘔吐が多く、高温多湿の夏場では病原体の繁殖が活発になるため、食品の保存など取り扱いには注意が必要です。

カリカリのドライフードの場合

「ドライフードは水分もないし傷みにくいから大丈夫」と思っていませんか?
確かにドライフードは水分含有量が少なく、ウェットタイプと比べれば傷みづらいです。
しかし、保存や与え方を間違えれば病原体が繁殖し、食中毒の原因になります。

まず保存に関しては高温多湿の場所に長時間置けば、湿気って病原体が繁殖してしまいます。
大きなサイズの袋でまとめて買う方が多いかと思いますが、大きい分長い時間をかけて消費していくので、密閉や保存方法が甘いと傷んでしまうリスクが高いです。
一食ごとが小分け包装のものだと理想的です。
タッパーやジップロックに小分けをすると、容器の匂いが移り風味が変わってしまう可能性があるため、可能であれば袋ごと大きめの容器で密閉することをお勧めします。
袋のまま保存する場合には袋の蓋はしっかりと密閉し、湿気が籠らない暗所で保管しましょう。
また床からの湿気や虫・ネズミなどの被害を考慮し、床からは離した場所を保管場所とすると良いでしょう。
そして、ドライフードを冷蔵庫での保管は避けた方が良いです。
結露した水分をフードが吸ってしまい、逆に劣化を速めてしまう原因になります。

缶詰などウェットタイプフードの場合

ウェットタイプは水分量が多いため、勿論傷む速度は早いです。
一食使い切りの缶詰やパウチタイプの場合、未開封のものは高温多湿や直射日光を避ければ問題ありません。
缶詰を開封後に保存したい場合は、密閉し冷蔵庫で保存しましょう。
缶詰用のシリコン製蓋のようなグッズもあるため、缶詰保存の場合には用意しておきたいです。
缶詰用の蓋が無い場合には、食品用ラップでしっかりと密閉をしてください。

しかしそれだけ入念に保存しても、開封後は傷みが進行するので、遅くとも2~3日で使い切るよう心がけましょう。
あげる際には一度食器に出すと傷みが早いため、「後で食べるかもしれないし…」などと出しっぱなしにしておくとすぐに傷んでしまいます。
傷んだ状態のものを食べてしまえば当然食中毒のリスクがありますので、残したものは早めに片づけてしまいましょう。
少しもったいない気もしてしまいますが、大切なペットの健康を守るためです。

飲み水にもご注意を

食中毒と聞けば自然と食事にだけ目が行きがちですが、口にするものといえば水もありますよね。
ボトルタイプの飲み口の場合には、ワンちゃんが口を付けてから何時間も放置されています。
一度口を付けた水の中にも病原体が繁殖してしまうため、夏場は特に水の交換をこまめにしてあげましょう。

そして、水用の食器や飲み口を洗う際には、熱湯での煮沸消毒をするのが理想です。
手洗いでは落としきれなかった病原体の殺菌ができます。
手洗いの際には人用食器用洗剤ではなく、ペットの食器用洗剤があれば尚良しです。
人用洗剤に含まれる界面活性剤は、犬猫に対して強い毒性を持つため、洗い残しがあると嘔吐や下痢といった中毒症状の原因になります。
また匂いには敏感なため、人用洗剤使用の際は無香料のものを選ぶようにしましょう。

いかがでしたか?
本記事の注意点を何気なくやってしまっていた…という方もいらっしゃるかと思います。
夏場の強い暑さは、熱中症などの直接的な健康被害ではなく、食中毒といった危険性があることがお判りいただけたかと思います。
暑さが続けば我々と同じく、ペットたちも食欲が落ちてしまいます。
そんな中でも、せめて食べてくれる食事の安全は守り、美味しく食べてほしいですよね。

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