犬や猫の動物にも食中毒は存在します。
食中毒は通年発生し得ますが、梅雨時期と夏は、湿度や気温が高く、細菌が増えやすいので、細菌性の食中毒に注意が必要です。
(春は自然毒、冬はノロウイルスなどのウイルス性など食中毒にも季節性があります。)

これからの季節、高温多湿の日本ではどうしても食べ物の傷みが早くなってしまいます。
今回は犬の管理栄養士より、ペットの食中毒についてです。
私たち人間にも起こりえる食品腐敗による食中毒から、犬猫ならではの食べてはいけないものによる食中毒まで、しっかり覚えて気をつけるようにしましょう。

食中毒を起こす原因

一般的な食中毒の原因として、
●食べ物が、細菌・ウイルス・寄生虫などに汚染されていた場合
●フグや毒キノコ、ジャガイモの芽といった自然毒によるもの
●人間にとっては食べられるものでも、犬猫とっては毒となるものを摂取してしまった場合
などが考えられます。

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ドライフードは腐敗する?

犬にしろ、猫にしろ、ドライフードは含まれている水分が少なく、ウェットフードに比べると段違いに腐敗しにくくなっています。
しかし、湿気の多い環境に放置してしまうとカビが生え、それによる食中毒が懸念されます。

ドライフードをどのように保存するのがベスト?

では、封を開けたドライフードはどのように保存するのがいいのか。
暗室?冷蔵庫?
一番良いのは、大袋ではなく小袋に分けられた製品にして、開封したらすぐに使いきれるようにした方が安全です。
しかしそういう製品は以外と少ないものです。
ですから、大袋を購入したあとに数日分を小分け袋に移し、それ以外は真空パックできる袋に移し替えて保管すると良いでしょう。
冷蔵庫保管は、出し入れの際の温度差で袋や容器内に結露ができ、フードがふやけたりカビの原因となるので避けた方が望ましいです。

ウェットフードや手作り食はどのように保存するのがベスト?

ウェットフードや手作り食は、とにかく傷みが早い!
梅雨時期や夏場はとくに食品の腐敗が早く進みます。

よく、これまだ大丈夫かな?と食品の匂いを嗅いで腐敗臭がしないかどうか確認することがあるかと思います。
しかし、嗅覚の衰えた人間の鼻は、残念ながら初期のかすかな腐敗臭を捉えることはできないでしょう。

使用前の調理器具の消毒や保存容器の消毒だけではなく、作る量もなるべく1~2日以内に与えきれる分だけ作るようにしましょう。
どうしても作り置きしたい場合には、冷蔵庫保存の分と冷凍庫保存の分に分け、それでも1週間以内に与えきれる量にしておきます。

なにより、食品にはしっかり火を通すようにしてください。
せっかくペットの健康のことを考えて作った手作り食が原因で体調不良になってしまうのは本末転倒です。

犬猫とって危険な食べ物や植物

代表的なものはチョコレートと玉ねぎですね。
犬の場合、甘い匂いにつられてキシリトールが含まれたお菓子(アメやガムなど)を口にする危険性もありますので充分に注意が必要です。
命に関わるとなると、チョコレートや玉ねぎなどよりキシリトールが含まれた製品の方が危険性が高いと言われています。

また、活けてある花が犬猫にとって致命傷となることもあります。
ユリ科の植物はとくに危険性が高く、お部屋にこういったお花を飾る機会が多いご家庭は注意してください。

下痢や嘔吐、どの時点で動物病院へ行くべきか

下痢や嘔吐は比較的よくみられるため、動物病院へ行くか行かないか迷う飼い主さんも多いようです。
悩むようならまずかかりつけ医に電話をして状況を説明しましょう。
いつから下痢や嘔吐が起きているのか、どのような排泄物、嘔吐物なのか、ペットの様子はどうなのか、と説明すると、すぐに動物病院に向かった方がいいのか、とりあえずは様子見でいいのか指示を仰ぐことができると思います。
そして、動物病院に向かうときは排泄物や嘔吐物を持って病院へ向かうことを忘れずに!

 

日頃から気をつけていても食品の劣化や腐敗は防ぎようがありません。
なるべく早く消費すること、保存方法を工夫する、不用意に出しっぱなしにしないなどして、人もペットも食中毒に悩まされない夏を過ごしましょう。

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