今年も残すところあと僅か。
今週末にはクリスマスを控え、世間全体がどこかソワソワと落ち着かない、しかしながらどこか楽しい雰囲気になっているような気がします。

今回は、そんなクリスマスの楽しい雰囲気を愛犬と楽しめる、あるレシピを犬の管理栄養士からご紹介しようと思います。
いつものごはんに、ほんのひと手間加えるだけでクリスマス気分を味わえる、そんなレシピです。

とはいえ、クリスマスは楽しい雰囲気だからこそ、犬の誤飲や誤食が発生しやすい状況でもあります。
まずは、気をつけたい点から確認していきましょう。

人用のケーキやお菓子は砂糖の過剰摂取になるため与えない&食べられない場所で保管しよう!

犬は、「甘い・酸っぱい・苦い・しょっぱい」といった味覚がわかりますが、とくに「甘味」には敏感な犬が多い印象を受けます。
そのため、人用のケーキやクッキーなど甘いものに反応しやすい傾向にあると言えます。
しかし、砂糖を人間に合わせた分量で使用したケーキなどを犬に与えてしまうと過剰摂取に繋がり下痢を引き起こしたり、長期的に見ると肥満の原因になる恐れもありますから、与えないようにするとともに、盗み食いやいたずらができない場所へ保管することも忘れてはいけません。

もし愛犬と一緒にクリスマスケーキを楽しみたいなら、極力砂糖の使用を控えたものや素材そのものに甘味がしっかりあるもの(サツマイモなど)を使用したケーキを用意するか、手作りすると良いかもしれません。
ちなみに、犬が1日に摂取しても大丈夫な糖質の摂取量基準というのはとくに公表されてはいません。
1つの目安として、人間について見解を示している世界保健機関(WHO)のガイドラインが示している、「肥満や虫歯を予防するために、砂糖などの糖類を一日に摂取するカロリーの5%未満に抑えるべき」、というのを参考にしてもいいかもしれませんが、これが示す糖類の摂取量は成人で1日あたり25g程度(小さじ約6杯)と非常に少なく、さらには、厚生労働省では、「日本人において数値を算定できるほど十分な科学的根拠は得られていない」として、科学的データがないため基準値が設定できないとされていますから、糖類の摂取に関して言えることは、『取り過ぎはダメ』という一言に尽きるようです。

ごちそうにも危険が潜んでいる可能性あり!

クリスマスにはチキンなどを食べるご家庭もあるかもしれませんが、ここにも注意点は潜んでいます。
まず、衣をつけて揚げているフライドチキンなどは、スパイスなどでしっかり味付けされており、犬にとっては少々刺激が強いと言えますし、衣も油を吸っていますから、衣がついたまま犬に与えるのは避けた方が良いでしょう。

また、鶏の骨は折れると先が鋭利になるので危険と言われています。
昔、某有名チェーン店のチキンは圧力調理されているため、骨を与えても大丈夫、と言われた記憶がありますが、骨が折れて喉に刺さる危険性以外でも、そのまま飲み込むことによって喉を塞いでしまい、呼吸困難に陥る可能性だってあります。
一緒にチキンを味わいたい時には、犬用にササミや胸肉を少量用意して、しっかりと茹でたうえで与えた方が安全と言えるでしょう。

犬も楽しめるクリスマスメニュー

さて、ではここからは愛犬も楽しめるクリスマスメニューのご紹介です。

【材料(食材)】
〇ひき肉:10g
※お勧めは鶏ひき肉ですが、鶏にアレルギーのある子は他のお肉を同じ分量用意してください
〇型抜き用のお野菜(型抜きしやすいようスライスしておきましょう)
・かぼちゃ:少量
・さつまいも:少量
・にんじん:少量
〇トッピング用のお野菜
・ブロッコリー:小さい房1個
・プチトマト:1/2個

【用意するもの】
・クッキーなどの型
※お肉を成型したり、野菜の型抜きに使用するので、犬の体の大きさに合わせて小さいもの、大きいものなど選んでください。
このとき、お肉用にはツリーの型、野菜用に小さな星型を用意するとよりクリスマスっぽくなると思います。

【作り方】
1.ひき肉をこねたあと、ラップを敷いた上にクッキーの型を置き、そこに、こねたひき肉を詰めていきます。

2.型全体をラップでくるんだあとしっかりと蒸し、冷めるまで待ちます。

3.かぼちゃ、さつまいも、にんじん、ブロッコリーはレンジで加熱しておきます。プチトマトは種を除いて実の部分だけ細かく刻んでおきましょう。

4.冷めた鶏肉を型から出し、柔らかくなったかぼちゃ、さつまいも、にんじんの身は、小さな星型で抜き、ブロッコリーを細かく刻みます。

5.いつものドッグフードにバランスよくトッピングしてもいいですし、ツリーの形に成形したお肉に野菜などをトッピングして与えてもいいでしょう。
※この時、もともと小食の子ではトッピング分、ドッグフードを減らしておくとお残しを予防できると思います。

お塩を砂糖を使わず、犬が摂取しても問題のない食材を使用したレシピのため、愛犬にも安心して食べてもらえる内容ではありますが、いつも与えないものを与えるのであれば、アレルギーやお腹を壊す可能性を忘れてはいけません。
たくさん食べて楽しんでほしい気持ちもあるかも知れませんが、後から苦しむのは愛犬です。
ウェイトコントロール中で摂取カロリーが気になる場合やアレルギーが心配な場合は、まずは獣医師に相談してから作ること、そして、大量には与えず、ほんの少量、いつものごはんにトッピングするくらいにすることを忘れないようにしましょう。

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