【ワンポイントアドバイス】小さなオオカミ「柴犬」について知ろう

４月８日は「し（４）ば（８）いぬの日」だそうで、今日は犬の健康生活管理士から、そんな柴犬についてご紹介しようと思います。

柴犬はいつから日本にいるのか？？

秋田犬や柴犬をはじめとする「日本犬」と呼ばれる犬たちの中で、最も体の小さな柴犬。
その体の小ささゆえか、マンションなどでも飼いやすく、また、室内（自分のテリトリーと決めた場所）を排泄物で汚すことも少ないことから、根強い人気のある犬種です。

日本原産の犬種でもあり、海外でも人気の柴犬について、どれだけ知っているでしょうか？
柴犬の歴史は古く、縄文時代以前に南方から日本に渡来した犬がはじまりとされ、縄文時代から日本人とともに暮らしてきました。
実は、他の代表的な日本犬たち（北海道犬、秋田犬、甲斐犬、紀州犬、四国犬）の中でも、最も古い時代から日本人と共存してきたそうです。

そんな柴犬ですが、一度絶滅しかけたことがありました。
それは、明治時代になったとき。
鎖国が終わり、海外から様々な人や文化が日本に入ってくると同時に、洋犬もたくさんやってきました。
目新しいものに興味が向くのは今も昔も変わらなのでしょう。
さらに、当時は洋犬を飼うことがステータスの１つともされ、柴犬をはじめとした日本犬は一時期まったく見られなくなったそうです。
その後昭和に入り、日本犬消滅に危機感を覚えた人たちが日本犬保存会を設立、本格的な保存活動が始まり国の天然記念物にも指定されるものの、その後起きた戦争のため思うようには活動できず、多くの日本犬が犠牲になります。
そうした苦難の時代を経て、現在の柴犬の姿になったのは１９３６年以降のこと。
まだ１００年経っていないんですね。
昔から柴犬と呼ばれる犬はいたものの、現在私たちが知るような姿形の柴犬が誕生したのはここ９０年経つか経たないか、ということになります。

オオカミの遺伝子に近い遺伝子をもつ柴犬

波乱万丈な歴史をもつ柴犬の遺伝子が、実は他の犬種よりもオオカミに近い、というのは聞いたことがある人もいるかも知れません。
２０００年代に入ってから犬のゲノム解析研究が進められ、その中でも、アメリカの大学チームが、５，０００頭以上の犬の遺伝子を調査した結果、オオカミとの類似性が高い遺伝子を柴犬が最も多く持ち合わせていることが判明したそうです。
柴犬以外でも、秋田犬など、日本犬は他の犬種に比べても、オオカミに近い遺伝子を持っているとのことで、日本犬を飼っている方は、小さなオオカミを飼っていると言えるのではないでしょうか？

ドッグランでは「ぼっち」になりがちな柴犬

大昔から日本人とともに暮らし、愛されてきた柴犬ですが、お友だちを作るのは少し苦手なタイプが多いかもしれません。
よくドッグランでポツンと佇む柴犬の動画や写真を見たことがあるでしょう。
我が家の柴もまさにそれ！という飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
それもそのはず。
柴犬の遊びは他の子にとってみると非常にアグレッシブでびっくりしてしまうことが多いのです。
生粋の狩猟犬である柴犬は、遊びでさえも活動的で攻撃的、いつでも戦えるよう日々鍛えているといってもおかしくはないのです。

しかしそのことが、柴犬的には遊びでも、はたから見ると攻撃しているように見えるため、相手の飼い主さんが忌避してしまうことにも繋がります。
また、引っ込み思案（内弁慶？）な性格の子も多い柴犬は、突然他の子もいるドッグランなどに放されるとどうしたらいいかわからず固まってしまうこともあります。
そんな時に、向こうからぐいぐい来られると、イラッとしてしまって攻撃的になることもあります。
パーソナルスペースが広めなのは、多くの日本人と一緒かも知れませんね。

はるか昔から日本人とともに生きてきた柴犬。
現在は海外でも愛好家が増え、日本でも、再び人気が出てきています。
しかし、一時期は犬種としての存在が危ぶまれたことも事実。
そうした歴史を知ることで、より、愛着を持って柴犬たち日本犬への理解を深めていけるのかもしれません。