冬は寒さに加え、空気の乾燥も堪える季節です。
現在、太平洋側では雨の少ない状態が続いていて、東京都心では1月11日までで20日連続降水無し、空気もカラカラに乾いているとのこと。
乾燥による風邪や感染症への注意をはじめ、肌や髪などへの影響も気になるところです。
犬は寒さに強いと言われていますが、空気の乾燥に対して、特に犬の身体を支える柔らかい肉球は大丈夫でしょうか?
今回は、犬の健康生活管理士より、犬の肉球とケアについてお話します。

肉球は万能な靴の役割

人間はかかとを地面につけて歩きますが、犬はかかとを浮かせて歩く趾行性(しこうせい)の動物です。
つまり、犬は歩いている時は人間でいう「つまさき立ち」になっていて、全体重をつま先で支えている状態です。

足裏の肉球は、衝撃を吸収して足の骨や関節を地面の衝撃から守っています。
また、滑りやすい場所や坂道でブレーキの役割も果たします。

肉球は感覚器官としても機能しているので、犬は地面のタイプを区別したり様々な情報を肉球から感じ取っています。
外で飼われていたり、砂利道をよく歩く犬の肉球は厚くて硬く変化していき、逆に室内犬や舗装された道ばかり歩く犬の肉球は柔らかいです。

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冬はこまめな肉球ケアを

人が乾燥によってあかぎれになりやすくなるのと同様に、犬の肉球も「ひびわれ」「あかぎれ」になりやすいです。
外出で濡れて汚れた肉球は、ぬるま湯で洗うか丁寧にタオルでふき取って保湿クリームを塗り、あかぎれ・ひびわれを予防しましょう。

特に雪遊びなどをした後には、耳・しっぽ・肉球が「しもやけ」になりやすいので、遊んだ後はドライヤーなどを使って温めて乾かしてください。

さらに、冬は道路に凍結防止のために散布された薬剤や塩で、肉球を痛めてしまうこともあります。
洗い流そうと石鹸などを使うと、洗い過ぎて皮膚が荒れることもあります。
また、洗った後のすすぎや乾燥が十分でないと、湿疹になったりするので、乾いた布で水分をふき取り、たっぷり保湿クリームでケアしてください。

ちなみに外出から帰宅したら、肉球だけでなく、タオルなどでしっかり全身を拭いてあげましょう。雪や雨の日でなくても、冬は冷たい北風や埃で、被毛は汚れています。

肉球がひび割れてきて痛そうな場合には、靴を履かせてあげると歩きやすくなります。
過保護と思われるかもしれませんが、私たち人も、かかとがひびわれた状態では痛くて歩くのも辛いですよね。
ただし、先に記述したように、犬は本来、肉球から多くの情報を収集しています。
靴を履かせることにより、危険を回避する本能が衰えないともいえません。
靴を履かせるのは症状が酷い時の対応策にして、普段からケアを続けましょう。

 

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