新型コロナウィルス感染症の終息が待ち遠しい中、今度はマダニが媒介する感染症が関東で初確認されました。

以前から何度かご紹介してきた、「重症熱性血小板減少症候群」通称「SFTS」

2011年に中国で初めて報告され、その後、2013年に国内で初めて報告されて以降、300名以上の感染者が報告され、その感染地域は西日本が中心でした。
この病気は、致死率が10~30%と高く、予防薬や治療法も未だ発見されていません。
6~14日間の潜伏期を経て、発熱、倦怠感、頭痛などの症状で発症することが多く、嘔吐や下痢、腹痛などの消化器症状を呈し、リンパ節腫大を認めることもあります。
また、ショック症状、急性呼吸促迫症候群、脳症、腎障害、心筋障害、藩種性血管内凝固症候群、血球貪食症候群などの合併症を引き起こすことがあることも報告されています。
患者の多くは中高年層で、マダニが活発に活動する春から秋にかけて発生が多いことが分かっています。
近年は、犬から感染したとされる症例や、2016年に猫から感染したと思われる人の死亡症例も報告されています。

関東・東海で初確認!

この感染症が、3月には静岡県内で、そして、今月3日には千葉で初確認されたのです。
とはいえ、今回千葉県で感染が確認されたのは、2017年に発熱や発疹の症状があって受診、マダニが媒介するほかの感染症が疑われたものの、その当時の検査では陰性だった検体を改めて調べたところ、SFTSだったことが確認されたというのです。
2年前に、東京都内でSFTSの感染報告がありましたが、これは旅行先の長崎県内で感染し、都内に戻ってきてから発症していることがわかっています。
千葉県内で確認された症例も感染地域へ行ったことが原因では?と思われると思いますが、この患者さんは発症前に他県へ移動した経歴がなく、千葉県内で感染、発症したとみられるのです。
こうしたことから、関東地方での感染は今回が初めて、ということになります。

知識を持つことも予防の一環

そもそも、SFTSウィルスを保有したマダニは西日本だけではなく東日本にも分布しています。
SFTS自体、まだ多くの医療機関で知られておらず、見逃されていた可能性もあります。
さらに、北海道では近年、SFTSウィルスの近縁のウィルスが発見され、四肢に麻痺が生じるなどの症例も報告されています。

この病気そのものを予防することはできませんが、マダニの寄生を予防することはできます。
ペットのマダニ予防を徹底すること、定期的にブラッシングやシャンプーを行うことでマダニなどの寄生の有無をチェックすること、もちろん飼い主も、草むらや山などに行くときには長そで、長ズボンで虫の侵入を防ぎながら、マダニ予防効果のある虫よけスプレーなどを使用すること。
そして、そうした場所から帰ってきたときには、すぐに衣服を着替え、シャワーなどで全身を洗い流すこと。
それでも風邪でもないのに発熱や倦怠感が続くようであれば、早めに医療機関を受診すること。

今であれば新型コロナと思われそうなものです。
だからこそ、発症前に草むらに行きました、登山に行きました、キャンプに行きました、という詳細を伝えるとともに、もしかしたらマダニに咬まれたのではないでしょうか?SFTSに感染した可能性はないですか?など確認できるよう、ある程度の知識を持ちましょう。
とくに今までSFTSの発症が確認されていなかった東日本の医療機関では、まだまだ知識不足な点は否めません。
ペットを介してマダニに接触する可能性が高いからこそ、相手にしっかり伝えられるだけの知識を持つことが重要です。

 

 

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