GW真っ只中の今、ゆっくり羽を伸ばしたり、お出かけを楽しんでいる人も多いと思います。
その反面、連休明けを思うとちょっと憂鬱になったり「五月病」が心配になったりしてもいませんか?

季節性の五月病以外にも、新型コロナウィルスの感染拡大の前後で、日本国内でうつ病、うつ状態の人の割合が2倍以上に増加、日本以外でも多くの先進国で同様に2~3倍に増えたことが国際調査で分かったそうです。

では、人と一緒に暮らしている犬は、精神疾患を患うことがあるのでしょうか?犬猫行動アナリストが解説します。

犬の心の病気

実際に人間のような「うつ」や「五月病」があるかどうかはわからないものの、犬にも心の病気といえるものがあります。
代表的なものが「分離不安」と言われるものです。
犬は本来、群れで行動する動物で、ひとりでの留守番はあまり得意ではありません。
ひとりにされるのが不安で、留守番中に吠え続けたり、家の中を破壊したり、不適切な場所での排泄が見られたりと、様々な問題が現れます。

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ここでチェック!!愛犬の分離不安度は?

□ 家の中を移動するとき、愛犬が常について回る
□ トイレやお風呂に入るとき、愛犬がドアの前までついてくる
□ 短時間であってもお留守番ができない
□ お留守番をさせたり、飼い主と離れると、足を舐める・噛む、尻尾を噛むという行動をするときがある
□ 飼い主が見えなくなると、ずっと鳴き続けたり吠え続ける
□ 飼い主が見えなくなるとプルプルと震えたりする
□ 飼い主と離れると部屋を荒らしたり、ドアや壁、家具などを掘るといった破壊行動をする
□ お留守番中にパニックになり、部屋やケージの中で暴れてしまう
□ 留守番中、トイレ以外の場所で排泄をする(飼い主が家にいる時にはトイレの失敗はない)
□ 帰ってくると飛びついたり、部屋を急に走り回るといった異常な興奮状態に陥る

このチェック表に1つでも該当する項目がある場合、すでに軽度の分離不安に陥っている可能性があります。
もちろん該当項目が増えれば増えるだけ重症度が高くなっていきます。

分離不安の対処には飼い主の努力も必要

分離不安の原因として挙げられるのは、もともとの性格と子犬の時からの経験、そして飼い主さんとの関係性です。
例えば、飼い主にしてみるといつも愛犬と一緒にいることは幸せに感じるかもしれません。
しかし、愛犬と密着した生活は、犬に飼い主への依存状態を招き、結果的にほんの少し離れることすらできない状態を作り上げてしまいます。

こうした状況は、飼い主がどこにも出かけない!と言ってしまえばそこまでですが、本当にそんなことが可能しょうか?
飼い主の入院や、災害が起きて避難しなくてはいけなくなった際、どのような事態を生むか、そうなったときに苦しむのは犬たちです。
犬に独立心をつけさせることも、愛情の一つです。
愛犬の健全な精神状態を保つために、飼い主も愛犬と離れる努力をしてください。

そして、すでに分離不安の状態に陥ってしまっている場合には、少しずつひとりに慣らすトレーニングをしていきましょう。
もちろん最初から留守番をさせるわけにはいきません。
まずは部屋の中で、飼い主と離れて過ごすことから慣らしていきます。
例えば愛犬の居場所を決めたら、そこから少し離れたところで飼い主はひと時を過ごします。
その際、犬が飼い主を意識しなくて済むよう、留守番時に活用できるおもちゃやおやつなどを使ってお互い自由な時間を過ごしてください。
こうして少しずつ犬の意識を飼い主以外のものへ向けていきます。

現状、それすら難しいほど重度の分離不安に陥っている場合には、獣医師に相談して精神安定剤などを処方してもらいながら行動修正していくことも必要かもしれません。
分離不安とは心の病気です。
医療の力も借りながら、時間をかけて治していってあげましょう。

 

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